ブランド古着店 査定士が語る コムデギャルソン全ライン徹底解説!
日本を代表する世界的ラグジュアリーブランドであるコムデギャルソン。
コラボレーションや店舗限定のラインも含めると20以上の異なるラインが展開されています。本記事では、二次流通の市場で定番的な19のラインについて解説します。
※既に終了または統合されたラインもございます。
川久保 玲
COMME des GARÇONS(コムデギャルソン)
1969年のブランド設立から続く、デザイナー川久保玲の理念を最も純粋な形で表現するウィメンズの最も代表的なラインです。「黒の衝撃」以来、既成概念に囚われない反骨精神を根底にファッション業界に大きな影響を与えてきました。アシンメトリーなデザインや立体的なカッティング、フリルを使用したり、テキスタイルを重ね合わせるなどのデザイン手法が特徴的です。
COMME des GARÇONS COMME des GARÇONS(コムデギャルソン コムデギャルソン)
1993年から展開されている、川久保玲が不変的に好きなベーシックが表現されているウィメンズラインです。コムデギャルソン好きな方にはコムコムと呼ばれています。2005年には、1981年から展開されていたrobe de chambreがCOMME des GARÇONS COMME des GARÇONSに統合されています。定番的なデザインに一捻り加えたような、派手すぎずコムデギャルソンらしいデザインが多く人気があるラインです。
COMME des GARÇONS HOMME PLUS(コムデギャルソン オム プリュス)
川久保玲がデザインを手掛ける唯一のメンズコレクションラインです。「プリュス」とは、フランス語で最上級という意味で使われています。クラシカルなメンズスタイルをベースに、フリルやスカートなどのジェンダーレスなディテールや縮絨などの加工が施されたデザイン手法が用いられ、メンズの既成概念に囚われないコレクションとなっています。
COMME des GARÇONS HOMME PLUS EVERGREEN(コムデギャルソン オム プリュス エバーグリーン)
2005年~2009年までHOMME PLUS内で展開されていた、以前のデザイン・テーマを復刻・アレンジするラインです。
COMME des GARÇONS HOMME DEUX(コムデギャルソン オム ドゥ)
1987年から展開しているスーツやシャツなどを中心としたメンズのビジネスラインです。日本製の上質な仕立てのスーツをメインに展開されていました。2009年よりユナイテッドアローズ上級顧問の栗野宏文氏がアドバイザーを務めています。ベーシックなスーツスタイルが基本とはなっていますが、栗野氏がアドバイザーに就任以来、ビジネスカジュアルに使えるラインアップが増えています。
COMME des GARÇONS SHIRT(コムデギャルソン シャツ)
1988年からシャツに特化したメンズラインとしてスタートしました。現在ではシャツ以外のアイテムも展開されたコレクションになっています。他のラインとは異なり、COMME des GARÇONS SHIRTからリリースされるシャツはフランスで生産されています。
COMME des GARÇONS GIRL(コムデギャルソン ガール)
2010年からCOMME des GARÇONS SHIRTのコレクション内で発表され、2015年からはCOMME des GARÇONS GIRLとしてSHIRTラインから独立するかたちで展開されているウィメンズラインです。フェミニンで少女らしいデザインが特徴で、コムデギャルソンのラインの中では若い顧客に支持されています。
COMME des GARÇONS PARFUMS(パルファム)
1994年から展開されているフレグランスラインです。2000年からはメンズ向けのフレグランスもラインアップされています。
香りにも他のブランドとにはない独自の世界観が表現されていて、ウッド系やお香のような香りなど、どこかオリエンタルを感じる香りが多いように感じます。ボトルのデザインもアート的で、美術館のショップやインテリアショップなどにも置かれているのを見かけます。
PLAY COMME des GARÇONS(プレイ コムデギャルソン)
2003年から展開されているハートのオブジェがトレードマークのキャラクターラインです。ハートのキャラクターは、グラフィックデザイナーのフィリップ・パゴウスキー氏によるデザインです。デザインしないことがコンセプトで、ワンポイントでブランドを表すことができるアイコンによって表現するということがテーマになっています。
BLACK COMME des GARÇONS(ブラック コムデギャルソン)
リーマンショックをきっかけに世界的な経済状況における緊急事態に対応するエマージェンシーブランドとして2009年に起ち上げられたラインです。黒のアイテムを軸に他のラインよりも廉価な価格設定となっています。当初は1年半限定のゲリラ的な企画でしたが、過去の名作をアレンジしたデザインもあり、その買いやすい価格から人気となりその後も継続されています。
CDG(シーディージー)
2018年から展開されているロゴをアイコンにしたユニセックスラインです。ロゴを全面に押し出したデザインはストリートスタイルとも相性が良く、価格も他のコレクションラインより手が届きやすい設定で若い世代に人気となっています。現在のコムデギャルソンのラインアップの中では最も今っぽいラインで、完売アイテムも多く、二次流通市場で見かける機会も多いです。
robe de chambre COMME des GARÇONS(ローブ ド シャンブル コムデギャルソン)
1981年〜2004年まで展開されていたウイメンズラインです。大人の女性のための部屋着というコンセプトで起ち上がり、川久保玲が手掛けるデイリーウェアラインとして人気を博していました。2005年からは「COMME des GARCONS COMME des GARCONS」に統合されました。
渡辺 淳弥
COMME des GARÇONS HOMME(コムデギャルソン オム)
1978年から展開されている、コムデギャルソンでは最も古くからあるメンズラインです。当初のデザイナーは川久保玲が兼任していましたが、現在は渡辺淳弥氏がデザイナーを務めています。コムデギャルソンのメンズラインの中ではベーシックな位置づけでクラシカルなテイストにモダンなエッセンスを加えた着回しやすいデザインです。
JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS(ジュンヤワタナベ コムデギャルソン)
1992年から展開されている、渡辺淳弥氏がデザインを手掛けるウィメンズのコレクションラインです。ツイードやデニム、チェック柄を使ったデザインが特徴的です。
COMME des GARÇONS JUNYA WATANABE MAN(コムデギャルソン ジュンヤワタナベ マン)
2002年から展開。ファーストラインとは異なる切り口でベーシックを表現したメンズのコレクションラインです。ワークスタイルやアウトドアテイストを取り入れたアイテムが多く、モンクレールやトリッカーズなどの老舗ブランドとのコラボレーションも積極的に展開されています。
eYe COMME des GARÇONS JUNYA WATANABE MAN(アイ コムデギャルソン ジュンヤワタナベ マン)
2005年から「コムデギャルソン ジュンヤワタナベ・マン」セカンドラインとしてスタートしています。 「大人に向けたストリートウェア」がコンセプト。コレクションラインではないためシーズン毎のテーマは設定されず、着回しやすいニュートラルな味付けとなっています。「eYe」には渡辺淳弥氏の目からみて本当に着たいものとういう意味が込められているそうです。ノースフェイスやニューバランスなどスポーツ系ブランドとのコラボレーションが多くリリースされています。
二宮 啓
COMME des GARÇONS Noir Kei Ninomiya(コムデギャルソン ノワール ケイ ニノミヤ)
元々は川久保玲が考える「noir」を表現したラインとして存在していましたが、2013年より二宮啓をデザイナーに起用して黒をメインとしたコレクションを展開しています。コレクションで使用する黒以外の色は、黒を際立たせるための手段であり、黒のイメージを伝えるための色であると、二宮啓自身が語っています。
栗原 たお
tricot COMME des GARÇONS(トリコ コムデギャルソン)
1981年から展開されているセカンドライン的位置づけのウィメンズラインです。カジュアルよりのタウンユースしやすいアイテムが多い印象です。現在は栗原たお氏がデザイナーを務めています。なお、2022年春夏シーズンからトリコは、社名のコムデギャルソンを取り去り、栗原の名前を冠しシンプルに「タオ」のみのブランド名でリスタートを切りました。
tao COMME des GARÇONS(タオ コムデギャルソン)
tricotのデザイナーを務める栗原たおが自身のクリエーションを表現するために2005年から展開されたウィメンズラインです。tricot COMME des GARÇONSに専念するために2011年で終了しました。
以上となります。
ここでは書ききれていないラインもありますが、代表的なものを紹介させて頂きました。
コムデギャルソンは日本のブランドとしては非常に歴史の長いブランドですが、今現在も進化中であることを改めて感じさせられます。
この記事を書いた人
MODESCAPE
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