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田中啓一氏が手がけたコムデギャルソン「田中オム 」について

2024年3月20日

COMME des GARCONS HOMME

田中啓一氏が手がけたコムデギャルソン「田中オム 」について

日本を代表するデザイナーズブランド「コムデギャルソン」。その長い歴史の中でも近年注目されているのが田中啓一さん時代のコムデギャルソンオム、通称「田中オム」です。シンプルなデザインの中に新しさが際立つデザインが再評価され二次流通市場でも価格がじわじわと高騰してきています。
この記事ではデザイナー田中啓一氏の人物像をとらえるとともに、田中啓一氏がデザイナーを担当したコムデギャルソンオムを解説していきます。

デザイナー田中啓一

Keiichi_Tanaka
出典 imhds.fashion-headline.com

田中オムのデザイナーを務めた田中啓一は、異色の経歴を持っています。彼が手掛けたアイテムが独自のアイデンティティを持っている理由の1つは、彼の経歴が大きく関わっています。ここでは、彼の経歴について、デザインへの情熱やコムデギャルソンオムに入社後のキャリアに焦点を当てて見ていきましょう。

田中啓一の経歴

東京都に1955年で生まれた田中啓一氏は、1977年、東海大学工学部を卒業し、その知識を生かして鷺宮製作所でエンジニアとしてのキャリアをスタートさせました。しかし、彼の情熱は技術の世界に留まらず、卒業後3年を経て、田中氏は文化服装学院アパレルデザイン科への入学します。

学院卒業後、田中氏は「ニコル」というブランドでアシスタントデザイナーとしてのキャリアをスタートさせました。メンズブランド「ムッシュニコル」に6年間務め、1990年に彼は日本が世界に誇るファッションブランド「コムデギャルソン」に参加します。ここで彼は、デザイン哲学と創造性をより広い視野で展開していきます。

田中氏は13年間務めたコムデギャルソンを2003年に退職し、2010年には自身のブランド「KONTRAPUNKT」を立ち上げました。しかしながら、現在はデザイナーとしての活動を休止し、大学で非常勤講師として務めています。

ファッションにかける思い

田中啓一氏のファッションへの情熱は、彼が幼少期から視覚的なセンスを活かした仕事をしたいという考えに基づいています。しかし、田中氏は自然界や化学には惹かれなかったために、工学の道を選び、安定した会社員としての生活を歩み始めました。

1980年代初頭、ファッションや音楽などのサブカルチャーが日本で大きく花開き始めた時期です。日本のデザイナーズブランドが次々と誕生し、彼自身もコムデギャルソンオムのアイテムを愛用していました。周囲のミュージシャンやグラフィックデザイナーといった友人たちが自分のセンスを生かして生計を立てているのを見て、彼の職業観は変化していきます。

田中氏は、自分のセンスを活かせる仕事をしたいという思いを強く抱くようになりました。そして、彼にとって最も身近で表現の場となり得るのは「洋服」であると気づき、ファッションの世界へ踏み入れることとなったのです。
田中氏が服作りにおいて大切にしているのは、「大人の男が着て恥ずかしくない、でもどこかに必ず新しさがある服」を作ることです。トラディショナルとモダニティの絶妙なバランスを追求し、常に時代の一歩先を行く新しさを取り入れつつも、着る人の尊厳とスタイルを最大限に尊重するデザインを心がけています。

田中啓一と川久保玲

田中啓一がコムデギャルソンオムのデザイナーとしてそのキャリアを歩み始めた時、彼はすでに「ニコル」での経験を積んでおり、その才能は業界内で高く評価されていました。そのため、入社後すぐにギャルソンオムの仕事を一手に任されることになります。
川久保氏から田中氏への唯一の要望は、「グッドテイストな服を作ってほしい」というシンプルなメッセージでした。この言葉は、田中氏に対する川久保氏の信頼と期待を示しており、彼女が田中氏のセンスと能力を高く評価していたことを物語っています。

川久保玲氏は、デザイナーとしてのみならず、コムデギャルソンの社長としてもその地位を確立しています。そのため、彼女は作る側の気持ちを深く理解しており、田中氏に対して細かくデザインに注文をつけることはありませんでした。これは、田中氏への絶大な信頼の証であり、彼に自由な発想と創造性を最大限に発揮する機会を与えていたのです。
このような関係性は、田中氏がコムデギャルソンオムのデザインにおいて、独自のアイデンティティを確立し、ブランドの哲学を体現する作品を生み出す基盤となりました。川久保氏の支持のもと、田中氏はグッドテイストを基軸にしつつも、常に新しさを追求するデザインを展開し、ファッション業界に新たな風を吹き込んできました。


COMME des GARCONS HOMME1990-2003年通称「田中オム」

田中オムという言葉はファッション感度の高い方であれば、聞いたことがあるでしょう。コムデギャルソンの中でも、田中オムは注目される存在でした。現在でも、田中オムは評価が高く、中古市場でも高い価値を誇っています。ここでは、田中オムの特徴や代表アイテムについて詳しくチェックしていきましょう。

田中オムとは

COMME des GARCONS HOMME、通称「田中オム」は、ファッション界において特別な存在感を放っています。この名前は、1990年から2003年秋冬シーズンにかけて、田中啓一氏がデザインを手掛けたアイテム群を指し、近年ではその独自性と革新性が再評価され、中古市場での価値も高まっています。

田中氏のデザインするアイテムには、特徴的なディテールが見られます。シャツやニットには「銀タグ」が施されており、これは田中オムのシグネチャーとも言える特徴です。一方で、ジャケットやパンツには金文字で記されたタグが用いられています。

田中氏は、エンジニアとしてのバックグラウンドを持ち、その経験から培われた工学的なセンスをファッションデザインに応用しているのが特徴です。生地の組織を理論的に捉え、それをデザインに落とし込むことで、男らしさと新しさ、そしてシンプルさを絶妙に融合させた作品を生み出しています。
田中氏の創造する服は、単なるトレンドを追うものではなく、美しさと実用性を兼ね備えているため、長く愛用できるのが魅力の1つです。近年の田中オムの再評価は、アイテムが単に過去の遺物ではなく、現代のファッションシーンにおいてもなお影響力を持ち続けていることを示しています。

代表アイテム

【縮絨アイテム】

縮絨

COMME des GARCONS HOMMEのコレクションにおいて、縮絨アイテムは特に注目を集める存在です。この独特な加工技術は、素材の質感を変化させることにより、アイテムに深みを持たせます。
縮絨(しゅくじゅう)とは、繊維を熱や水分、圧力を用いて意図的に縮ませる加工のことであり、これによって生地に凹凸や柔らかな風合いが生まれます。
縮絨アイテムは、COMME des GARCONS HOMMEの定番として、長年にわたり愛され続けています。この加工により生まれる独特のテクスチャーは、アイテムに奥行きを与えると同時に、着る人の個性を引き立てます。例えば、ジャケットやパンツ、ニットウェアなど、幅広いカテゴリーのアイテムにこの加工が施されています。

特に、縮絨加工を施したジャケットは、その非凡な風合いが魅力的であり、ビジネスシーンからカジュアルな装いまで、多様なスタイリングにマッチします。また、縮絨ニットは、着心地の良さとスタイリッシュな見た目が融合したアイテムとして、多くのファッション愛好家から支持を受けています。
縮絨加工が施されたアイテムは、見た目の美しさだけでなく、着用時の快適さも追求されています。この加工によって生地に伸縮性が生まれ、身体の動きに柔軟に対応します。長時間の着用にも関わらず疲れにくいという特長を持っているため、日常使いはもちろん、トラベルシーンにも最適です。

【ずらしロゴ】

ずらしロゴ

COMME des GARCONS HOMMEのコレクションを象徴するアイテムのひとつに、「ずらしロゴ」があります。このユニークなデザインは、ブランドロゴを通常の位置からずらして配置することで、従来のファッションの枠を超えた新しい表現を追求しています。 シャツ、Tシャツ、アクセサリーなど、幅広いアイテムにこのデザインが採用されており、コーディネートに取り入れることで個性を演出できます。ずらしロゴは、シンプルながらも強いインパクトを放ち、COMME des GARCONS HOMMEの革新性と遊び心を体現しています。

【テーラードジャケット】

テーラード

COMME des GARCONS HOMMEのコレクションにおける核となるアイテムの一つが、その独創的なテーラードジャケットです。伝統的なテーラリング技術に革新的なデザインを融合させ、時代を超えたスタイルを提案しています。このジャケットは、細部にわたるこだわりと、素材の選択における厳格さが特徴で、洗練されたシルエットを実現しています。

COMME des GARCONS HOMMEは、テーラードジャケットに現代的な解釈を加えることで、クラシックとモダンのバランスを見事に保ちつつ、ブランド独自のアイデンティティを表現しています。このジャケットは、ファッションを深く愛する人々にとって、そのクローゼットの中で特別な位置を占めるアイテムです。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます。 是非皆様も街の古着屋などで田中オムを見かける機会がございましたら是非一度袖を通してみてはいかがでしょうか。まだまだ高騰の波が広がっているので今のうちに手に入れておくことをお勧めします。普段のファッションに新しい刺激を与えられること間違いなしです!
モードスケープではCOMME des GARCONSの買取を強化しています。アイテムの価値を適正に反映し、最高額を見出す査定をいたします。COMME des GARCONSのアイテムを売りに出すか迷っている場合にも、是非モードスケープにご相談下さい。とりあえず値段だけ聞いて検討したいという場合は、LINE査定などで査定額を見積もることも可能です。お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

MODESCAPE

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