ナマチェコ

｢NAMACHEKO｣北欧のエレガンスと中東の遺産を織りなすファッション

2015年にスウェーデンで設立された新進気鋭のファッションブランド｢NAMACHEKO｣。洗練されたデザイン、独創的なディティール・色彩で世界中のファッショニスタから人気を博し、ネクスト・ラフシモンズとも称されています。日本でもドーバーストリートマーケット銀座・伊勢丹、また様々なセレクトショップで取扱が有り、今最も注目されているブランドの1つとして頻繁に名前が挙げられています。
この記事ではNAMACHEKOのデザイナーの経歴、ブランドの特徴とともに、定番・人気アイテムを解説していきます。

NAMACHEKOとは

NAMACHEKOは、2017-18年秋冬コレクションのデビューシーズンにパリの有名ショップ「The Broken Arm」が独占で買い付けたことで一躍注目を浴びました。日本でもすでに多くの人々に愛され、ファッション業界に強い存在感を示しています。
ここでは、独創的なデザインと高いクオリティで、世界中のファッション愛好者を魅了するNAMACHEKOの魅力に迫ります。

NAMACHEKOのブランド概要

NAMACHEKOは、クルド地方出身の兄妹、ディラン・ルーとレザン・ルーによって2015年に設立されたスウェーデンのファッションブランドです。NAMACHEKOは、シンプルなアイテムに独創的なデザインを取り入れています。

NAMACHEKOには、デザイナーのルーツや思想が大きく関わっています。デザインは、伝統を守りながら、イラクの制限の多い環境とスウェーデンの自由で独創的な文化の違いが反映されています。多角的な概念が彼らの成長に影響を与え、「二面性」と「文化的アイデンティティ」がNAMACHEKOの強固なコアとなっています。シンプルでありながらも独創性を追求したディテール。NAMACHEKOのアイテムは、過去の伝統と現代の自由な発想が見事に融合し、洗練されたスタイルを持つコレクションとなっています。

NAMACHEKOは、DOVER STREET MARKET GINZAなどのセレクトショップでも扱われており、日本人にも愛用者が多いブランドでもあります。

NAMACHEKOのデザイナー

出典 francetvinfo.fr

NAMACHEKOのデザイナーであるディラン・ルーは、イラクのクルド地方で生まれ、8歳と4歳の時に家族と共にスウェーデンへ移住しました。学生時代はファッションではなく、インフラに関する土木工学を学びましたが、独学でパターンメイキングを習得しました。大学在学中には、故郷クルド地方のショートフィルムの制作に取り組み、その撮影のために制作した衣装が、パリの有名セレクトショップ「The Broken Arm」のバイヤーの目に留まったことがきっかけでブランド設立に至りました。

ディラン・ルーの異色な経歴や独創的なデザインは、しばしばラフ・シモンズを彷彿とさせると言われています。彼のデザインはシンプルでありながらも、独創的なディテールが施されており、スウェーデンの自由で独創的な文化とイラクの制限された環境の融合が感じられます。この二つの異なる文化背景が、NAMACHEKOのデザインの幅を広げています。

兄のディラン・ルーがデザインを手掛ける一方で、妹のレザン・ルーはマーケティングや生産面を担当しています。この兄妹の強力なタッグにより、NAMACHEKOは独特なスタイルと高品質な製品で知られるようになったといっても過言ではありません。
彼らの作品は国際的な舞台で注目を集め、多くのファッション愛好者に支持されています。こうしてNAMACHEKOは、クルドとスウェーデンという二つの異なる文化を背景に持つブランドとして、独自の地位を築いています。

NAMACHEKOの特徴

NAMACHEKOの特徴は、抽象的な概念を服に落とし込んでいるため、独創的なデザインに仕上がっていることです。ディラン・ルーの内面を反映させていることやルーツである2つの文化の影響を受けていることが大きく関係しています。

そこで、ここでは「自分自身の内面を投影したデザイン」・「シンプル且つ独創的なシルエット」・「色鮮やかな色彩」という3つの視点からNAMACHEKOの特徴を紐解いていきましょう。

自分自身の内面を投影したデザイン

NAMACHEKOの特徴は、特定のコンセプトに縛られず、デザイナー自身の出自や日々の体験、哲学や思想が抽象的にデザインに落とし込まれている点にあります。デザイナーであるディラン・ルーは、自身が興味を持つことをそのまま表現し、その結果として生まれるアイデアは毎回異なるものの、「自分」という軸を通してブランドに一貫性を持たせています。
また、彼の土木工学のバックグラウンドから得た“実用性のあるデザイン”を服作りにも応用し、一見難解に見えるコレクションでも、着る人が日常に取り入れたいと思える絶妙なラインを追求しています。

実用性はサステナビリティとも密接に関連しており、廃棄を最小限に抑えることで、100年使える建築物のように長く愛用される衣服を目指しています。ディラン・ルーのデザインは、彼の日常の延長として存在しています。特定のテーマに固執せず、多様なインスピレーションから生まれます。彼は毎日数多くのオークションサイトをチェックし、気鋭ブランドの洋服から古いカーペットまで、興味を引くものを幅広く探索します。

また、映画好きでもあり、ミケランジェロ・アントニオーニやピエル・パオロ・パゾリーニ、黒澤明などの作品からも影響を受け、それらの経験が全てコレクションに反映されています。
彼のコレクション作りは映画制作に近いアプローチを取り、各ルックごとに明確なキャラクターを思い浮かべ、それらを組み合わせるように服をデザインしているのも特徴のひとつです。

シンプル且つ独創的なシルエット

NAMACHEKOの「シンプル且つ独創的なシルエット」は、ブランドの特徴である「二面性」と「文化的アイデンティティ」が大きく反映されています。
NAMACHEKOのデザインには、簡潔さと複雑さ、伝統的技法と実験的要素、東洋文化と西洋文化などという対照的な要素が絶妙に共存しています。一見シンプルなデザインでありながら、よく見るとパターンは構築的で複雑なアイテムが多く、その中にミニマルさを感じさせるものが多いです。

具体的には、シンプルなシルエットに見えるアイテムも、実際には複雑な構造を持ち、細部にわたるディテールが緻密に計算されています。例えば、ジャケットやコートは伝統的な技法を用いながらも、革新的なカッティングや素材の組み合わせが特徴的です。これにより、シンプルさと独創性が調和したデザインが完成し、視覚的にも機能的にも優れたアイテムが生まれています。これらの点がネクストラフシモンズと呼ばれる一因でもあるでしょう。

色鮮やかな色彩

NAMACHEKOの特徴の一つである「色鮮やかな色彩」は、デザイナーディラン・ルーの内面が表現されています。彼はテーマに応じて多様な色を巧みに使い分け、濃淡やケミカルウォッシュ、くすみ加工を用いて独特の風合いを生み出しています。

NAMACHEKOにしか出せない特徴的な色合いは、ルー氏がイラクとスウェーデンという異なる文化や思想に身を置いていたことが深く関わっています。 NAMACHEKOの色鮮やかな色彩によって、衣服には深みと立体感が加わり、視覚的に豊かな表現が実現されています。

色彩の選択は単なる装飾ではなく、デザイナーの哲学や感情を映し出す重要な要素となっており、毎シーズン異なるカラーパレットがNAMACHEKOの作品に新たな魅力を添えています。

NAMACHEKO定番・人気アイテム

シルエットや色彩など、個性を持つアイテムを多く展開しているNAMACHEKO。NAMACHEKOのアイテムはシーズン毎に展開される定番アイテムや愛用者の多い人気アイテムが複数存在します。ここでは、実際のアイテムとその魅力を紹介していきます。

アブストラクトプルオーバー

アブストラクト

NAMACHEKOのアブストラクトプルオーバーはコーディネートのポイントになるアイテムです。幾何学的な直線や、曲線、円など、さまざまな組み合わせにより作り出される模様はインパクトが大きく着映えします。NAMACHEKOの色彩感が現れているアイテムでもあります。

また、季節やコレクションによってさまざまな素材が使われていて、編み方などの素材の使い方がデザインのポイントとなっているものもあります。NAMACHEKOの世界観を味わいたい方はぜひアブストラクトプルオーバーに注目してくださいね。

テーラードジャケット

「テーラードジャケット」は、NAMACHEKOの中でも珍しいかっちりとしたアイテム。ディラン・ルーの宝石商だった父親から受けた影響が反映された

独自のスタイルのアイテムです。Dianは父親のスーツ姿を毎日のように見て育ち、テーラリングに興味を持つようになりました。そのため、NAMACHEKOの定番アイテムにはテーラードジャケットが含まれています。

無駄のないミニマルなデザインが特徴で、ダーツやシルエットなどのディテールの美しさが際立ちます。カラーやディテールは毎シーズン少しずつ変化し、多くの愛好者から支持されています。

ワックスペイントデニムジャケット

デニムジャケット

NAMACHEKOの「ワックスペイントデニムジャケット」は、2OAWシーズンで初登場し、爆発的人気を誇りました。デザイナーのディラン・ルーは、デニムという歴史あるワードローブを独自の視点で追求し、このジャケットを生み出しました。ヨーロピアンスタイルとアメリカナイズされたデニムガーメントが融合し、若干短めの着丈、スタンダードな身幅、クラシカルな襟元、長めのアームラインといった構築的シルエットが特徴です。

フロントや袖、背面のアジャスターボタンにはブランド名が刻印され、背面の裾には象徴的な織ネームが施されています。高品質なデニム生地に独自のワックスペイントを施し、ブラックのペイントがデニムとラグジュアリーなレザーの質感を共存させた、唯一無二のアイテムです。

THROW OVER VEST

ベスト

NAMACHEKOの人気アイテム「THROW OVER VEST」は、様々な素材やデザインでコレクションに登場し、柔らかなシルエットの変化が楽しめるアイテムです。デンマークのテキスタイルメーカーKvadratのインテリアファブリックを使用したものも発売されています。耐久性や機能性の高い生地を使用しているのもポイント。しなやかな素材が使われており、余裕のあるサイズ感となっているため、シルエットに動きが出るのも特徴です。

また、襟のトグルは職人によるハンドメイドで、機械から製作した特別なものです。NAMACHEKOならではの独創的なシルエットを楽しみたい方はTHROW OVER VESTをチェックしてみてくださいね。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。デザイナー｢ディランルー｣の内面が反映されたアイテムは一つ一つがまるで芸術作品のように仕上がっており、他のブランドとは一線を画す存在となっています。ハイクオリティで価格帯も高額なブランドですが、中古市場でも人気が高くリセールバリューも比較的高いブランドとなっています。

モードスケープではNAMACHEKOの買取を強化しています。アイテムの価値を適正に反映し、最高額を見出す査定をいたします。NAMACHEKOのアイテムを売りに出すか迷っている場合にも、是非モードスケープにご相談下さい。とりあえず値段だけ聞いて検討したいという場合は、LINE査定などで査定額を見積もることも可能です。お気軽にご相談ください。

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