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数多くの名作を生み出し、人々を魅了し続ける「フィービー・ファイロ」の新たな挑戦

2022年11月16日

数多くの名作を生み出し、人々を魅了し続ける「フィービー・ファイロ」の新たな挑戦

数多くの名作を生み出し、人々を魅了し続ける「フィービー・ファイロ」の新たな挑戦

CHLOEやCELINEのクリエイティブ・ディレクターとして牽引してきたフィービー・ファイロ。 フィービー氏は約3年の沈黙を経て、2021年に自身の名を冠した新たなブランドを立ち上げることを発表し、大きな話題を呼びました。そんなフィービー氏の影響力は大きく、これまでに彼女が作り上げた女性像は、多くの人々を魅了してきました。

この記事では、フィービー氏の生い立ちや数々の名作を生み出したCHLOE・CELINEでのキャリアと、新たに立ち上げた自身のブランドについて解説をし、彼女の魅力に迫ります。

フィービー・ファイロの人物像

女性のための革新的なデザインを世に送り出してきたフィービー・ファイロ。彼女のデザインは女性たちに、機能的でデザイン性の高いアイテムを多く提供してきています。そのデザインには、自身の快適さを追及するという彼女の生き方も反映されています。

フィービー・ファイロのデザインやキャリアについて語るには、彼女自身のことを知る必要があります。それでは、彼女の人物像について見ていきましょう。

フィービー・ファイロ
出典 thegentlewoman.co.uk

セントマーチン美術大学の卒業生

フィービー・ファイロは1973年、パリ生まれのデザイナーです。生後すぐにイギリスに渡ったため、幼少期はイギリスで過ごしました。ロンドンにある世界的な美術大学セントラル・セント・マーチンズでファッションについて学び、1996年に卒業します。卒業時のコレクションはラテン風のものを発表したことでも有名です。卒業後は、ロンドンのデザイナーであるパメラ・ブランデルの元で経験を積みました。

ステラ・マッカートニーとの繫がり

フィービー・ファイロがステラ・マッカートニーと親交が深いことは有名な話です。自身の名前を持つブランドが有名でもあるステラ・マッカートニーとは、在学時から親しく、卒業後にマッカートニー氏が立ち上げたブランドをファイロ氏が手伝っていました。そして、ファイロ氏を一躍有名にしたCHLOEへの入社に関わったのは、ステラ・マッカートニーです。

「CHLOE」のブランドイメージを一新

今でこそ、フェミニンな印象の強いCHLOEですが、そのブランドイメージを作り上げたのは、フィービー・ファイロとステラ・マッカートニーだといえます。CHLOEのアイコンバッグやディフュージョンラインを立ち上げるなど、ブランドを一新するプロジェクトをいくつもこなしました。ここでは、ファイロ氏がデザイナーとして大きく飛躍することとなったCHLOEでのキャリアについてチェックしていきましょう。

CHLOE

「CHLOE」とはどんなブランド?

CHLOEは1952年に創立されたフランスのラグジュアリーブランドです。手入れしやすく、高品質な既製服をつくることをコンセプトとした「ラグジュアリー・プレタポルテ」を提唱しています。エレガントドレッシーなデザインで、多くの女性から支持されています。都会的な雰囲気をもっているため、働く女性にも人気があり、幅広いシーンで使えるアイテムを多く取り揃えています。また、姉妹ブランドである「SEE BY CHLOE」は手に取りやすい価格設定で、ブランド戦略にも優れています。

1997年~2001年

1997年にフィービー・ファイロは、CHLOEに入社します。CHLOEの親会社であるリシュモンから声をかけられたステラ・マッカートニーが入社に、ファイロ氏を共に入社させてほしいとタンだことで、ファイロ氏の入社が決まりました。CHLOEのチーフデザイナーに就任したマッカートニー氏のデザインアシスタントとして活動します。

彼女たちがデザインに関わり始めてからのCHLOEは、若々しいデザインものになっていきます。かわいらしいデザインのキャミソールやプリントのTシャツなどを発表し、高級感がありながらもカジュアルで女性らしいフェミニンなアイテムが増えていきます。マッカートニー氏とファイロりー氏が入社してから、CHLOEの売り上げは5倍以上に伸びていきました。

2001年~2006年

ステラ・マッカートニーが自身のブランドを立ち上げるために、CHLOEのデザイナーを辞任し、後任としてフィービー・ファイロがクリエイティブ・ディレクター就任します。ファイロ氏は、かわいらしいブラウスや、細身のパンツなど、現在でも人気を持ち続けるアイテムを次々に打ち出していきました。

2001年にはCHLOEのディフュージョンライン「SEE BY CHLOE」を立ち上げます。SEE BY CHLOEは、CHLOEをさらに日常に溶け込ませたデザインで、カジュアルながらもかわいらしいデザインが若い世代からの人気を獲得しました。

そして、2005年に発表した「パディントン」バッグは、世界中で大ブレイク。シンプルなデザインと豊富なカラーバリエーションをもっており、大きな鍵のついたデザインは多くの女性が憧れを抱いたアイコンアイテムです。

しかし、2006年1月、「家族との時間を優先したい」という理由で辞任し、2年の間ファッション業界から離れることとなったのです。

フィービー期とも言われる「CELINE」

世界的なブランドであるCELINEでもフィービー・ファイロは大きく力を発揮していきます。かわいらしいデザインの多かったCHLOEから、大人の女性の気品が漂うCELINEへと移っても、彼女は伝統を活かしながら彼女らしいデザインのアイテムを発表しています。現在でもアイコンバッグとして人気を持ち続けている「ラゲージ」を手掛けたのもファイロ氏です。CELINEを退任する時には、「フィービーロス」という言葉が誕生したほど、熱狂的なファンを生み出しました。

CELINE

「CELINE」とはどんなブランド?

CELINEは、1945年にフランスで設立されました。フレンチカジュアルブランドとして地位を築き、現在ではラグジュアリーブランドとして確立されています。

アイテムは、シンプルで落ち着いた雰囲気をもっていますが、カラーバリエーションが豊富だったり、ディティールにこだわってデザインしたりとオリジナリティも持ち併せています。女性らしくありつつも自立しているアクティブな女性をコンセプトとしており、実際に働く女性たちから人気を得ています。

2008~2017年

家族との時間を優先するために、CHLOEを退任し、一旦ファッションから離れたフィービー・ファイロでしたが、CELINEのクリエイティブ・ディレクターとして復帰を果たします。その後、約10年間にわたり、セリーヌを牽引していきます。

フィービー・ファイロは、CELINEが拠点としているパリではなく、ロンドンにデザインスタジオを置き、家族との時間を確保することを実現させました。ラグジュアリーブランドでは珍しいケースで、CHLOEで活動していた時から使用し始め、自身のブランドを立ち上げた現在も同じスタジオを使用しています。

さらに、CELINEのクリエイティブ・ディレクターであるファイロ氏を右腕として支えたのが、先日「BURBERRY」のチーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任したダニエル・リーです。彼は、CELINEでウエアのデザイン・ディレクターを務めていた人物です。このようにファイロ氏は自分が最高のデザイン生み出せる環境を整えていたからこそ、CELINEを最高のブランドへと押し上げることができたのでしょう。

フィービー・ファイロが生んだ数々の名作

CELINEでフィービー・ファイロが生み出した名作は多数ありますが、その中でもアイコンアイテムとして名が挙げられるのが、「ラゲージ」と「クラシックボックス」です。

【ラゲージ】

CELINEといえば、ラゲージを思い浮かべる方も多いではないでしょうか。収納性が高く、カラーバリエーションとサイズが豊富で、現在でも多くの女性たちの憧れのバッグとなっています。セリーナ・ウィリアムズやカイリー・ジェンナーなど、著名人が愛用していることでも有名です。

【クラシック ボックス】

こちらも、著名人から一般人の人々まで人気を獲得しているバッグです。サラッとコーデに取り入れられる小さめのショルダーで、流行に左右去れないシンプルなデザイン。傷つきにくい革素材であるボックスカーフを定番素材として使っています。最高級のものを使うというファイロ氏のこだわりが詰め込まれたアイテム。

復帰~ブランド設立へ

CELINEを退任した後、ファッション業界で目立った活動なかったフィービー・ファイロ。そのため、フランス国立モード芸術開発協会主催の「ANDAMファッション アワード」が2021年に開かれ、審査員としてファイロ氏がファッション界に戻ってきたニュースは世界をざわつかせました。

また、ファイロ氏がデザイナーとして復帰するのではないかという噂も飛び交ったのです。実際にその噂は本当となり、自身の名を持つブランドの設立が発表されました。

自身のブランド「Phoebe Philo」を立ち上げへ

CELINEのクリエイティブ・ディレクターを退任した後、どのように活動していくか注目されていましたが、2021年7月12日に自身の名を持つブランドを立ち上げることを発表しました。

Phoebe Philoの設立を助けたのはLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン グループ。CELINEの親会社であり、ファイロ氏と信頼関係にあるLVMHがバックにつくというのは当然とも言えます。実際には、LVMHが少数株主となり、株式の大部分はフィービーが持つこととなります。そのため、クリエイションやプロダクションなどはファイロ氏によってコントロールされます。

ロンドンのスタジオを拠点に

先にも述べたように、Phoebe Philoはロンドンのスタジオを拠点とします。2001〜2006年の「CHLOE」、2008〜2018年の「CELINE」時代に使用しており、ファイロ氏にとっては馴染みの場所。実は、Phoebe Philoのチームは、すでに2020年後半にはロンドンに集まって、準備を進めていたといいます。

また、ウェアとアクセサリーを展開する予定で、アイテムたちは「並外れた品質とデザインに根ざしている」とWWDのインタビューに応えています。コレクションは、2022年1月頃に発表されるということで、現在世界中が彼女のデザインに期待しています。

モードスケープでは、CELINEのお買取を強化しております!

最後までお読みいただきありがとうございます。フィービー・ファイロは、女性が自分のために着る服を作り続け、自身も女性としての快適さを優先しながらキャリアを築いてきた女性です。彼女の生き方は、デザインにも大きく反映されています。Phoebe Philoが、現代で活躍する女性たちにどのような価値を提供していくのか、今後さらに注目が集まるでしょう。Phoebe Philoとフィービー・ファイロの今後に目が離せませんね。

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