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パリの新鋭ブランド「CASABLANCA」が魅せるストリートエレガンス

2024年9月14日

パリの新鋭ブランド「CASABLANCA」が魅せるストリートエレガンス

パリの新鋭ブランド「CASABLANCA」が魅せるストリートエレガンス

斬新な絵柄を施したシルクシャツを筆頭にリゾートスタイルを展開するフランスのファッションブランド「CASABLANCA」。2018年からスタートした新鋭ブランドですが、そのブランド独自の世界観は世界から一際注目を集めています。また、スポーツを楽しんだ後に着られるよう上質な素材を使用したリラックスウェアは、まるでバスローブの着心地そのもの。

そんな時代を超越したスタイルを得意とするCASABLANCAのブランドとデザイナーについて解説していきます。そして、ブランドのアイコンでもあるシルクシャツについてもご紹介しますので、是非最後までご覧ください。

CASABLANCAとは?

フランスとモロッコをルーツに持つデザイナーによって作られる、レトロライクなデザインは秀逸。スタートしてから短期間で人気ブランドへと駆け上がったCASABLANCAを解説します。


出典 fuckingyoung.es

「CASABLANCA」について

2018年にスタートした新進気鋭なブランド。モロッコ・カサブランカ出身のデザイナー「シャラフ・タジェル」によって立ち上げられました。テニスウェアからインスピレーションを受けたデザインを落とし込み、それに加えてナポリのテーラリングを用いてウェアを制作してます。

2019年に行った初ランウェイでは「高級テニスクラブ」をモチーフにしたショーを開催。 印象に残るデビューを果たしました。アイテムはブランドのアイコンとも呼べるシルクシャツをはじめ、ポロシャツやスーツなどベーシックかつラグジュアリーなものを展開しています。

色使いが非常に鮮やかなこともブランドを象徴するポイントと言えます。特にシルクシャツにはオレンジやブルー・グリーンといったカラーが濃淡を使って表現されています。コレクションを制作する際は生まれ故郷であるカサブランカのことを思い浮かべるそうで、描かれているデザインには自然や街並み・建造物などがあり、ノスタルジックな雰囲気を漂わせています。

CASABLANCAからラグジュアリーやスポーティ・ストリートといったテイストを感じることができますが、シャラフ氏いわく「ストリートではない」そう。ただ彼自身がストリート出身のため、意図せずともストリートなマインドがあらわれてしまうよう。 「そうなってしまうほど、CASABLANCAは自分を投影したブランドなんだ」とインタビューで語っています。

デザイナー「シャラフ・タジェル」の来歴

1984年、パリで生まれますが生後4ヶ月の時にモロッコ・カサブランカへ移住。その後、3歳になると再びパリへ戻り18区のベルヴィルという街で育ちます。そこには多くの移民が住んでおり、彼のようなアラブ系や中東系・アジア系・白人・黒人まで、多種多様な人たちと関わって過ごしました。パリのカルチャーに触れながらも、夏のバカンスの時期にはカサブランカに帰っていたそうで「第2の故郷」と呼んでいます。

またブランド名の由来にもなっていて、それは「両親のラブストーリーがその街で生まれて、自分が生まれた」から。彼は洋服という媒体を通して愛を伝えたいと考えており、ブランド名はCASABLANCA以外に頭にはなかったそう。それほどカサブランカは彼にとって大切な街であり「愛の象徴」となっているのです。

2008年にパリで有名なクリエイティブクルーである「パン・オ・ショコラ」に所属。その後立ち上げたクラブ「ル・ポンポン」は人気を博し、ハイセンスなファッショニスタが多く集うクラブとなりました。2009年にパリ・ピガール地区でスタートした「ステファン・アシュプール」率いるセレクトショップ「PIGALLE」の運営に携わります。2010年にはPIGALLEでオリジナルブランドを作ることになり、シャラフ氏はそこで「ファッションがどう作られているのか」を学びました。

CASABLANCAを立ち上げた翌年の2020年には「LVMHプライズ」を受賞。その実績と共にブランドはたった数年で急成長を遂げています。現在ではCASABLANCAの他に、インテリアデザインやナイトクラブの運営など経営者としても多彩な才能を見せています。

立ち上げたきっかけ

CASABLANCAをスタートさせた純粋なきっかけは「既製服では自分の着たいと思える服がなくなった」ため。立ち上げに至ったのは、先ほど述べたPIGALLEでのキャリアが大きく影響していました。ステファン氏の手がけるモノづくりを間近で見ていたことでファッションを学ぶことができ、CASABLANCA立ち上げの準備期間で設けた3年ではPIGALLEでの経験を細かく振り返っていたそう。

ファッションに興味を持ったのは11歳の時「LACOSTE」のカッコよさに目覚めたことがきっかけ。また、16歳の頃からはヒップホップにハマり、ファッションスタイルはヒップホップとスケーターをミックスさせたLAライクなものだったそう。そこに「チカーノファッション」と呼ばれる、メキシコ系アメリカ人たちのファッションを加えたスタイルでした。

20代前半まではそのようなファッションやSupremeを着ていて、その次にハマったのが「スーツ」です。ワイシャツにはVERSACEのヴィンテージシルクシャツを合わせており、現在のCASABLANCAのベースとなるセンスがこの時期から培われていました。


CASABLANCAの特徴

専属のペインターを有するCASABLANCA。比較的新しいブランドにも関わらず、多くの有名ブランドともコラボしています。またサステイナブルな取り組みにも注目です。

CASABLANCAの特徴

サステイナブルへの姿勢

地球の環境や資源に配慮した製品作りに前向きな姿勢を見せています。現在でもCASABLANCAのシャツに装飾されるボタンはプラスチック製ではなく、代わりにココナッツ製のものを採用していたり「今後はオーガニックコットンを取り入れていく」という発言もしています。

ただCASABLANCAは単なる「エコブランド」という訳ではなく、環境に配慮していくことは当然の使命だと念頭に置きながら「次世代を担う子どもたちに、自然の素晴らしさを知ってもらいたい」という思いがあります。夜空や山脈・広大な海などのグラフィックはブランドの特徴であり、そこには美しい自然を愛するシャラフ氏の情熱も込められているのです。

メゾンの体制

CASABLANCAのオフィスはセクション毎に分割されていて、それぞれ仕事を分担しています。「デザインやオペレーションをする部屋」、「アイデアを話し合いペイントを施す部屋」、「そしてサンプルを作る部屋」の3つ。

実はCASABLANCAには専属のペインターが所属しています。一般のアパレルブランドではあまり聞かない形態ではありますが、だからこそCASABLANCAにしかできない独特なデザインが生み出されているのです。そのペインターは「クエンティン・ビドー」という名で、シャラフ氏の頭にあるデザインを上手に形として表現しています。

デザインを作る時はお互い話し合いながらイメージをスケッチしていきます。あくまで手書きにこだわっていて、1つの絵柄をデザインするのに200時間かかることもあるそう。またその絵柄は継続してシリーズ化することはなく、1つのシーズンのみで終わらせてしまいます。彼らいわく「その儚さが美しいから」で、そのシーズンにしか表現できないエモーションのようなものをデザインに投影しているのです。

コラボ

NEW BALANCE

CASABLANCA×NEW BALANCE

世界的に有名なスニーカーブランドとのコラボは2020年からパートナーシップを締結し、第4弾まで発表されています。第2弾のコラボである「MS327 CBC」はスポーティなスニーカーをCASABLANCAらしいラグジュアリーなテイストにアップデート。メッシュ生地をパンチングレザーに切り替えたり、シューレースにゴールドの金具を装飾するなど、貫禄あるデザインに再構築されました。

BVLGARI

CASABLANCA×BVLGARI

高級宝飾ブランドである「BVLGARI」とはブランドを象徴する「セルペンティ」をベースとした、カプセルコレクションを発表。蛇のモチーフが特徴のセルペンティとのコラボでは、テニススタイルのデザインを落とし込みました。ホワイトとグリーンの配色はポップかつラグジュアリーな印象に。またCASABLANCAのシルクシャツにも同様のものがある神秘的なモザイク画は、蛇の鱗のようにも見え、親和性を感じるデザインとなっています。

GLOBE TROTTER

Casablanca×GLOBE-TROTTER

英国で1897年に創業した老舗スーツケースブランド「GLOBE TROTTER」とは「社交界」をテーマにコラボが発表されました。長期旅行に最適な「ラージチェックイン」にはアルミニウムのボディ、そしてハンドル部分にバンブー素材を採用。特筆すべきは内装で、このコラボで展開されるオリジナルのトリコロールカラーがデザインされています。

この他にもコラボレーションを果たしており、2019年9月にCASABLANCAが東京の「UNITED ARROWS & SONS」でポップアップを行った際、特別にコラボしたのが原宿にあるタイ料理屋「チャオ!バンブー」です。ここはシャラフ氏が来日する度に足を運んでいるお気に入りのお店で、コラボしたTシャツには両店舗がデザインされており、とてもユニークな1枚となっています。

シルクシャツシリーズ

CASABLANCAの代名詞でもあるシルクシャツ。毎シーズンデザインを変えて、色々なシャツが発表されています。植物や世界の街並み、日本のカルチャーからもインスパイアされたものがあり、ラインナップ豊富です。

23AW Cuban Collar Long Sleeve Shirt

23AW Cuban Collar Long Sleeve Shirt

ブルーのグラデーションが美しい2023年AWに発表されたシャツ。CASABLANCAらしいシルクならではの素材が、淡いブルーから濃いブルーまで色鮮やかに表現されています。フロントにあるヤシの木や両面にプリントされているオレンジ色のフルーツといった、リゾート感溢れるデザインはAWのみならず日差しの強いSSシーズンでも活躍してくれます。プリントにあるタイル調のモチーフは襟やカフス部分にもデザインされており、カラフルな配色がポイント。色数が多いため中から1つの色を拾って作る、こなれ感のある着こなしもおすすめです。

22AW Long Sleeve Silk Shirt Vol de Nuit

22AW Long Sleeve Silk Shirt Vol de Nuit

「世界への羽ばたき」が今季のテーマであった2022年AWのコレクション。ルックを制作するにあたって、飛行機に乗り込んだシャラフ氏が自身の目で見た、風景やルーツがインスピレーションされています。エンパイアステートビルをはじめとしたニューヨークの摩天楼が、ダイナミックにプリントされた迫力のあるシャツ。背面にデザインされたCASABLANCAロゴとカフスボタンのゴールドがほどよいラグジュアリーさを演出しています。

22AW Mosaics Grecques Silk Twill Shirt

22AW Mosaics Grecques Silk Twill Shirt

商品名にある「Grecques」とはフランス語でギリシャのことを意味し、古代エジプトやギリシャで多く用いられていた「パルメット文様」と呼ばれるデザインが施されています。葉をまるで扇のように広げた植物文様のことで、細かなアートワークが特徴です。CASABLANCAのカラーデザインによく見られる、淡い色合いで表現がされており、クリーンな印象があります。また生地にはツイルシルクを採用。文字通りシルク素材をツイル織りした生地のことで、通常のシルクと比べると糸の数が多く、その分耐久性が増します。

21AW Printed Silk Shirt Casablanca 100s

21AW Printed Silk Shirt Casablanca 100s

フォーミュラワンのウェアにインスパイアされたシルクシャツ。ドライバーユニフォームのようなユニークなデザインで、CASABLANCAのラグジュアリーな雰囲気とスポーティさが上手に調和されています。袖と肩部分には対照的な赤色の切り替えデザインがされており、コーディネートのメインとして十分活躍してくれます。カフスボタンまでも赤色にペイントが施されていて、細部にまでこだわったモノづくりが体感できます。

20AW Long-Sleeve Cuban Collar Shirt Casa Club Nuit

20AW Long-Sleeve Cuban Collar Shirt Casa Club Nuit

CASABLANCAのブランドロゴと共に、カタカナで書かれた「クラブ」が目を惹く開襟シャツ。ツイルシルク生地で作られており、耐久性にも期待できます。ネイビーをベースとした配色に、マルチカラーでプリントされたデザインが特徴です。クラブとあるように、リキュールに関するものが描かれておりライムやマドラー、カクテルを作る時に必要なメジャーカップなどがデザインに落とし込まれています。このようなユニークなアイテムはワードローブに1枚持っていると、とても重宝します。

23SS Cuban Collar Short Sleeve Shirt

23SS Cuban Collar Short Sleeve Shirt

夏のイメージにぴったりなボタニカル柄の半袖シャツ。ホワイトを基調としたシルク生地でとても清涼感があります。オレンジやイエロー、ブルーといった様々なカラーで表現されたフラワープリントはポップな印象があり、活気を与えてくれています。軽装でシンプルになりがちな夏のスタイリングの強い味方です。CASABLANCAらしいデザインのアイテムで、春夏は主役として、秋口にはレイヤードスタイルとして楽しむことができます。

23SS Cuban Collar Silk Shirt Maison D’Ete

23SS Cuban Collar Silk Shirt Maison D'Ete

夜の通りをイメージしてデザインされた配色が鮮やかなシルクシャツ。幻想的な夜空を表現するブルーに、街明かりや建物から洩れる光をあらわしたオレンジのコントラストが美しい1枚です。リーフデザインのグリーンの差し色もポイントで、CASABLANCAならではのラグジュアリーさを演出しています。

22SS Long Sleeve Cuban Collar Shirt TOKYO NIGHTS

22SS Long Sleeve Cuban Collar Shirt TOKYO NIGHTS

商品名にあるように、東京の大通りをプリントで落とし込んだシルクシャツ。夜の街並みがブルーとイエローで表現されています。非常に日本を感じられるデザインをしていて「真夜中」と漢字で書いてあることはもちろん、大都会を思わせるビル群があったり、奥には富士山の姿も。日本国旗や巻物を彷彿とさせるプリントも裾部分にあり、ウィットに富んでいます。ビルの看板に見立てられたCASABLANCAのロゴが、所々にひっそりとデザインされています。


まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。ストリートとエレガンスを融合させたリゾートスタイルを展開するCASABLANCA。オリジナルの商品だけでなく、New Balanceをはじめとしたコラボレーションなど今後の動向にも目が離せませんね。

モードスケープではCASABLANCAの買取を強化しています。CASABLANCAは中古市場でも流通は少ないものの、業界からの評価が高いブランドです。CASABLANCAのアイテムを売りに出すか迷っている場合にも、是非モードスケープにご相談下さい。とりあえず値段だけ聞いて検討したいという場合は、LINE査定などで査定額を見積もることも可能です。お気軽にご相談ください。

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CASABLANCAの買取について

この記事を書いた人

小川剛司 (MODESCAPE 編集部)

ライター・ファッションモデル。学生時代のアルバイトからファッションの世界へ。大手セレクトショップの販売員、ECスタッフを経て、長年携わったアパレルの経験と知識を活かしWEBライターに。数々のファッションマガジンサイトで執筆を行い、メンズ・レディース問わずおしゃれを発信しています。現在は韓国を拠点にモデル活動しており、更なるファッション知識を探求中! Instagram:@t_t_k_k_s_s

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