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HERMESのディレクションも手掛けた「クリストフ・ルメール」の魅力とは?

HERMESのディレクションも手掛けた「クリストフ・ルメール」の魅力とは?

HERMESのアーティスティックディレクターを務めたこともあるクリストフ・ルメール。UNIQLOとコラボしていることで、日本では馴染みの深いデザイナーかもしれません。ルメール氏が手掛けるデザインは、シンプルで、機能的。しかし、それだけではない洗練された雰囲気を持っています。ルメール氏のデザイナーとしての背景や功績に触れながら、ルメール氏自身のブランド「LEMAIRE」についてもみていきましょう。LEMAIREを代表するアイテムも紹介していますので、チェックしてみてくださいね。

デザイナー「クリストフ・ルメール」の背景

クリストフ・ルメールは、日本ではUNIQLO Uのデザイナーとしても知られるデザイナーです。ルメール氏は、自身の名前をもつブランドを最初に立ち上げており、そのブランドでは、彼の独自性・シルエットや機能性のこだわりなどが高く評価されています。オリジナルブランド設立後、LACOSTEやHERMESなどの有名ブランドで活躍し、世界中に名をとどろかせました。それでは、ルメール氏の来歴や背景について詳しく見ていきましょう。

クリストフ・ルメール
出典 grailed.com

~ブランド設立まで

クリストフ・ルメールは1965年にフランス東部に位置するブザンソンで生まれ、当初は文学を学んでいました。後にファッションに興味を持つようになり、フランスの美術学校であるアトリエ・セーブルでファッションについて本格的に勉強します。

そして、MUGLERやYVES SAINT LAURENTのデザインスタジオなどで経験を積んでいきます。1987年からは、これまでの功績を評価されて、ギャラリーファイエット財団賞を始め、複数の賞を授賞します。ファッション業界で名が浸透した1990年、ファッションブランドを設立することとなります。

「CHRISTOPHE LEMAIRE」設立

クリストフ・ルメールが立ち上げたのは、自らの名を冠したブランド「CHRISTOPHE LEMAIRE」。設立年に発表したのはレディースコレクションですが、1994年にメンズコレクションも発表します。

CHRISTOPHE LEMAIREのコンセプトは、「一生永く着られる服」。シンプルでベーシックなアイテムを多く展開しています。パリのブランドの中でも、非常にシンプルなアイテムが多いと評判のブランドです。身にまとった時の生地の動きまで計算されて作られているため、シルエットが美しく、洗練された雰囲気を感じさせます。機能性も高いため、着心地もよく、日々を共に過ごすのにぴったり。

CHRISTOPHE LEMAIRE休止~再開

2002年に、ルメール氏はスポーツブランド「LACOSTE」のアーティスティックディレクターに就任します。2000年~2006年は、CHRISTOPHE LEMAIREの活動を休止し、LACOSTEへ専念しました。低迷していたLACOSTEでしたが、ルメール氏の手腕によってデザイン性と機能性の高いアイテムを次々発表し、復活します。2006年からCHRISTOPHE LEMAIREを再開させましたが、20011年AWからジャン・ポール・ゴルチエの公認として、HERMESのレディースコレクションのディレクターとなります。2015年SSコレクションまでを手掛け、高い評価を得ます。

「LEMAIRE」へ

HERMESのディレクターを務めている間に休止していたCHRISTOPHE LEMAIREを2015年に「LEMAIRE」というブランド名に変更し、再開。ルメール氏が他のブランドに関わっていた時期に該当する、2009年よりサラ=リン・トランがデザイナーに加わります。LEMAIREのレディース部門やアクセサリー部門の功績はトラン氏によるものと言われています。


輝かしい功績

ルメール氏の名前は、有能デザイナーとして多くの人々に認知されています。その名を広めることとなったきっかけはいくつかあります。低迷しているブランドを復活へ導いたり、ハイブランドでのデザインが評価されたりするだけではなく、多くの人が触れる機会のある大衆ブランドで活躍したのも大きな功績です。ルメール氏がそれぞれのフィールドで評価された理由についてもチェックしてみましょう。

ジャン・ポール・ゴルチエ
出典 fr.fashionnetwork.com

「LACOSTE」復活に貢献

1933年創業のLACOSTEは、創業者であるルネ・ラコステの死後、低迷していました。そんなLACOSTEを復活させたのがルメール氏です。2000年からLACOSTEのアーティスティックディレクターに就任し、それまでスポーツブランド・カジュアルブランドというイメージのあったLACOSTEにスタイリッシュなデザインを取り入れました。LACOSTE本来の良さを残しつつ、クリストフ・ルメールらしいデザイン性と機能性を加えたことを高く評価されます。

鮮やかな色使いやエッジのあるシルエットは、LACOSTEに新たな風を吹き込みました。それまでNYでコレクションを発表していたLACOSTEでしたが、ルメール氏の影響でパリコレクションにも出展するようになりました。

「HERMES」のジャン・ポール・ゴルチエ氏の後任に

ルメール氏の功績として、最も有名ともいえるのがHERMESのレディースウェアのアーティスティックディレクターを務めたことです。2010年にジャン・ポール・ゴルチエ氏の後任として、ディレクターへ就任しました。就任後の初のコレクションでは、HERMESの特徴や歴史を正確に理解し、自身のオリジナリティと見事に融合させたとして、高い評価を得ました。

ジャン=ポール・ゴルチエが得意とする派手なデザインからミニマルさと機能性、経年変化が楽しめるデザインにHERMESを回帰させたとして、ルメール氏が手掛けた時期のHERMESも一定の人気を博しています。見た目の美しさだけではなく、機能性も兼ね備えたデザインは高く評価され、2015年までディレクターとして活動しています。

UNIQLOとのコラボレーション

HERMESでアーティスティックディレクターを務めたルメール氏が、UNIQLOとコラボするというニュースはファッション関係者を驚かせました。UNIQLOのコンセプトである「LifeWear」とルメール氏が手掛けるミニマルで機能的なデザインがマッチしたため、実現したと発表されます。

ルメール氏が手掛けるライン(現UNIQLO U)は、パリの拠点でデザインされており、アーティスティックディレクターをルメール氏が務め続けています。「UNIQLO AND LEMAIRE」として、2015年AWに初めて発売されましたが、2016年のSSも続き、大成功を収めました。2016年のAWからは、新ライン「UNIQLO U」をスタートさせ、現在もコラボは続いています。


LEMAIREの特徴

LEMAIREはルメール氏の核となるブランドと言ってもいいでしょう。ルメール氏を知るためには、LEMAIREについても確認しなければなりません。LEMAIREの特長は大きくわけて5つです。「ユニセックス」・「トレンドに左右されない中性的なデザイン」・「洗練された美しいシルエット」・「素材の良さを生かす」・「コラボレーションも多数」です。それぞれみていきましょう。

LEMAIREの特徴

ユニセックス

LEMAIREの特長のひとつは、ユニセックスで着られるアイテムが多いこと。LEMAIREは、クリストフ・ルメール氏がメンズアイテムをデザインし、サラ=リン・トラン氏がレディースアイテムを手掛けています。ユニセックスアイテムは、双方が強力して手掛けているため、男女問わず袖を通したくなるアイテムを生み出すことができているのでしょう。「機能の優れた洋服は性別を問わず必要である」というルメール氏の信念が理由となっており、ベーシックでありながら、機能性と上品さをもつアイテムを多く展開しています。

トレンドに左右されない中性的なデザイン

デザインの中心は、日常生活の中の動きです。普段の動き方から計算されたシルエットを中心に、シンプルなデザインに仕上がっています。ミニマルな洋服を極めることで辿り着くのが、男女どちらにも共通する中性的なデザイン。無駄をそぎ落としたベーシックな洋服はトレンドにも左右されず、永続的に着られるものに仕上がっています。

洗練された美しいシルエット

先ほども触れたように、LEMAIREのデザインはシルエットを中心に作られます。体のラインに沿うワイドシルエットが基本となっており、着心地の良さも追及されています。どのシーズンにも、以前から使われているシルエットをバリエーションとして提案して作成されているのもLEMAIREならではの特長。

シルエットの美しさと着心地の良さを両立させるために、出来上がったアイテムは全て試着され、襟や袖の幅、ポケットの位置などを確認します。洋服は、そのデザインを周囲の人に見せるだけではなく、着ている人の感じ方が最も重要だと考えていることがわかりますね。

素材の良さを生かす

着る人の感じ方が最も重要だと考えるデザイナーがこだわるもうひとつのポイントは、素材です。着心地の良さはもちろんですが、ルメール氏が素材を選ぶ時にポイントにしているのは、実用的かどうかです。つまり、実生活で洋服が長持ちするか、耐久性があるかという視点です。上質な素材を選ぶことで、着心地の良さと実用性を併せ持つアイテムを生み出しています。

LEMAIREで使われている素材は、90%はヨーロッパで織られた生地が使用され、残り10%はトルコ・モロッコで生産されたものです。バッグやレザー製品はスペイン・イタリアで生産されているというこだわりぶり。徹底して素材を選ぶことで、シンプルでありながら上品なアイテムを生み出すことができているんですね。

コラボレーションも多数

LEMAIREは、他のブランドとコラボすることも多いことで有名です。UNIQLO以外にもUNITED ARROWS、Sanders 、VEJAなどともコラボを果たしています。2018年にはUNITED ARROWSとコラボし、LEMAIREの代表的なワードローブを日本人向けに提案。ユニセックスアイテムとして発売し、話題を呼びました。

また、同じ年にイギリスのシューズブランドSandersともコラボしました。翌年の2019年は、フランスのシューズブランドVEJAとコラボ。天然ゴムやリサイクル素材・オーガニックコットンなどを使ったシューズはサスティナブルなクリエーションをコンセプトとしており、日本でも話題になりました。


LEMAIREの代表作

LEMAIREの特長について触れてきましたが、実際のアイテムをチェックするとブランドの雰囲気を感じ取ることができるでしょう。LEMAIREのアイテムの中でも特に人気が高く、名品と言われるアイテムを4つ紹介します。この4つのアイテムを見れば、LEMAIREの目指すミニマムなデザインを実感できるのではないでしょうか。

Kaftan Coat

Kaftan Coat

LEMAIREを象徴とするアイテムのひとつであるカフタンコート。柔らかく光沢のあるシェットランドウールを使用し、節部分をリネンで仕上げています。生地のムラ感とふくらみのあるシルエットが魅力です。襟が広く、前身頃にシワがよらないよう設計されているため、肩を落としてラフに着ても、整って見えるのがポイント。ポケットは納まりの良いスラッシュポケットで、LEMAIREらしいミニマルなデザインが際立っています。ユニセックス仕様で、男女共にゆったりと着られます。

SLIM FIT SB JACKET

SLIM FIT SB JACKET

ウールとポリエステルを融合した、ポリエステルウールで仕立てたテーラードジャケットです。表面はサージ生地が使われており、緻密で耐久性が高いため、日常的な使用にもおすすめです。トレンドに流されないシルエットで、無駄なものを削ぎ落したベーシックで上品な雰囲気を纏っています。体に馴染むような立体的なフォルムのため、動きもスムーズ。美しいシルエットのジャケットは、ビジネスでもプライベートでも、汎用性が高く、1着はもっておきたいマストアイテムです。

ベルテッドパンツ

ベルテッドパンツ

フロントにコンシールタイプの留め具の付いたベルテッドパンツ。ベルトを占めた腰から、弧を描くように膨らんでいるシルエットがポイント。足元に向かってスッキリとした形になっています。ゆとりのあるデザインですが、ワイドではありません。足部分のふくらみと腰回りのコンパクトさのバランスが絶妙なアイテムです。サイドにスリットポケット、バックにフラップポケットを装備し、シルエットを崩さずに、機能性の高さを維持しているのも特長です。

クロワッサン シリーズ

クロワッサン

LEMAIREを代表するアイテムであるクロワッサンシリーズ。クロワッサンのようなルックスのバッグやコインケースなどが毎年展開しています。上質なカーフレザーを使ったアイテムは手触りが良く、三日月形のシルエットはコンパクト。ステッチでクロワッサンの巻き模様を表現した遊び心のあるデザインで、ミニマルなデザインが得意なLEMAIREらしいアイテムのひとつです。カラーバリエーションも豊富で、男女共に使えるデイリーユースにぴったりなアイテムたちです。


モードスケープでは、LEMAIREのお買取を強化しております!

最後までお読みいただきありがとうございました。一生永く着られる洋服をテーマに、ミニマルなデザインのアイテムを作り続けるLEMAIRE。LEMAIREの2023年SSコレクションでは、駅のホームや映画のセットを旅するようなワードローブをテーマとしたコレクションが発表されています。遊び心のあるデザインと日常的な動きが計算されたシルエットでつくられたアイテムたちは、自分らしさを日常で表現するのに一役買ってくれるでしょう。

好みのテイストの変化などで、LEMAIREのアイテムを手放そうと考えることもあるかもしれません。そんな時に、モードスケープにご相談していただければ全力でお力になります。クリーニングやお直しが必要なものでも可能な限り良いお値段をおつけできるように吟味しながらお買取りしております。汚れやダメージがあるものでも、リペアを施して販売することも可能ですので一度ご相談ください。 とりあえず値段だけ聞いて検討したいという場合は、LINE査定などで査定額を見積もることも可能です。お気軽にご相談ください。

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