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JIL SANDERの歴史にかかわる有名デザイナーたち。展開ラインも紹介

2022年5月21日

JIL SANDERの歴史にかかわる有名デザイナーたち。展開ラインも紹介

JIL SANDERの歴史にかかわる有名デザイナーたち。展開ラインも紹介

シンプルで洗練されたデザインのジルサンダー。シルエットが美しいのも魅力のひとつです。ハイブランドとして、世界中にファンが存在しますが、実は紆余曲折を経て現在の地位を確立したことはご存じでしょうか。

買収や時代のニーズに左右されながら、多くの有名デザイナーによってブランドのコンセプトが守られてきました。ファッション業界を代表するデザイナーであるラフシモンズや現在の人気まで押し上げたルークメイヤー夫妻などがデザイナーを務めています。ジルサンダーの歴代デザイナーや展開しているラインについても解説していきます。

ジルサンダーとは?

デザイナーであるジルサンダーが自身の名前を掲げて設立したブランドです。デザインに無駄がなく、シンプルなデザインが目を引くブランドです。無駄を削ぎ落すことによって、素材やカッティングなどを引き立たせています。今では、ハイブランドとして世界中から人気を得ているジルサンダーですが、その歴史は順風満帆とはいえませんでした。コンセプトと時代に苦労しながらも信念を曲げず、成功を収めたジルサンダーについて、歴史を中心にみていきましょう。

ジルサンダーとは?

ジルサンダーのコンセプト

ジルサンダーのコンセプトとは、「Design Without Decoration」。直訳すると、「装飾のないデザイン」です。洋服に装飾を足して行くデザインではなく、余計なものを削ぎ落とすことで、装飾ではなく洋服そのものに焦点を当てるデザインが特徴です。

今では、ミニマルなデザインが人気を呼んでいますが、設立当初はコンセプト自体が時代に合わず、苦労することとなりました。ジルサンダーが設立された頃はカラフルで派手な服が主流だったため、シンプルで無駄のないジルサンダーの服は受け入れられない方が多かったのです。現在では、そのシンプルなデザイン性が他ブランドからも支持され、大衆から広く支持されているユニクロとコラボしたことで、知名度をさらに上げています。

ジルサンダーの歴史に関わる買収の背景

ジルサンダーの歴史には、買収が大きく関わってきます。ジルサンダーが順調にブランドを成長させられなかった理由にも大きく関わるのが、買収とその背景です。経営陣とデザイナーが話し合いと努力を重ねたことで、現在のジルサンダーができたと言っても過言ではないでしょう。買収という視点から、ジルサンダーの歴史を紐解きます。

1999年PRADAグループ

ジルサンダーは、時代の流れにそぐわず一度撤退しましたが、その後拠点をミラの移して絶頂を迎えます。その後、PRADAグループが株式の約75%を取得し、買収される形となりました。さらなる拡大を目指したことによって買収を受け入れたジルサンダーでしたが、親会社となったPRADAと経営方針について衝突する機会が多くなります。

デザイナーであるジルサンダーはこのことをきっかけに退任してしまうのです。ジルサンダー退任後にデザイナーに就任したのがラフシモンズです。

2006年Change Capital Partnership

2006年には、Change Capital Partnershipがジルサンダーを買収し、さらに2008年には、日本のオンワードホールディングスが買収を行いました。これにより、ジルサンダーの活躍の幅が広がりました。

2009年にUNIQLOを運営するファーストリテイリングがジルサンダーとの間にデザインコンサルティング契約を結んだことが日本で大きく話題を呼びました。UNIQLOの高価格ラインである「+J」のデザインを手掛け、さらにUNIQLO製品全体の監修もおこなったのです。

2021年OTBグループ

2021年に大きく話題を呼んだのが、マルジェラの親会社であるOTBグループによるジルサンダー買収です。全株式を取得する形での買収となりました。OTBグループのレンツォ・ロッソは「クリエイティブ面を変更するつもりはない」と宣言しており、経営面の強化が期待されています。2021年にはニューヨークにも店舗がオープンしました。広い購買層に支持されるようになったジルサンダーが今後どのような展開を見せていくのか注目されています。

ジルサンダーの歴代デザイナー

ジルサンダーの歴史を語る上で、デザイナーたちは欠かせない存在です。設立者のジルサンダーから現在デザイナーを務めるルークメイヤー夫妻まで紹介します。人気のあるデザイナーの時代に販売されたアイテムはリセールバリューが高い傾向にあります。ジルサンダーのアイテムを持っている方は、どのデザイナーの時期のアイテムがチェックしてみてくださいね。

ジルサンダーの歴代デザイナー
出典 nytimes.com

ジル サンダー(~2000aw、2004ss~2005ss、2013ss~2014ss)

ジルサンダーは二度デザイナーを退任しています。一度目はPRADAグループとの対立によって、自ら退任しました。その後クリエイティブディレクターとして復帰しますが、グループとの足並みを揃えることができず、再度退任。後任のラフシモンズが退任した後、2014年の春夏コレクションまでクリエイティブディレクターとして活躍しました。

ジルサンダーのデザインは、モードでクラシックな印象が強く、現在のジルサンダーの雰囲気とは少し異なりますが、ジルサンダーが手掛けたアイテムも一定の人気があります。

ミラン ヴィクミロビッチ(2001aw~2003aw)

多くのファッションブランドを渡り歩いたミラン ヴィクロビッチ。パリの有名セレクトショップ コレットのバイヤーやグッチのデザイナーを経てジルサンダーのデザイナーに就任しました。ジルサンダー退任後も高い売上をたたき出し、その手腕を高く評価されました。

ラフシモンズ(2006aw~2012aw)

ジルサンダーのディレクターとなった際に、大きく話題を集め、実際にそのデザインはジルサンダーの発展に貢献しました。ラフシモンズが手掛けた頃のアイテムは今でも人気があり、中古市場でも高値で取り引きされています。

ラフシモンズが手掛けたデザインは、カラーや機能性で高い評価を受けました。それまでジルサンダーにはなかった、独特の曲線的なカッティングによって作り出されるシルエットは唯一無二といえます。

ロドルフォ パリアルンガ(2015ss~2017aw)

ロドルフォ パリアルンガは、ジルサンダーに在籍した期間は短かったですが、モードな印象の強いデザインが評価されました。PRADAに10年以上在籍しており、ジルサンダーのコンセプトを中心に据えながら自身のアプローチでしっかりとブランドを導いています。シルクやアルパカなどの高級感ある触れる生地を使ったアイテムが特徴。

メイヤー夫妻(2018ss~)

メイヤー夫妻とは、夫であるルーク・メイヤーと妻であるルーシー・メイヤーです。夫婦でデザイナーに抜擢されたメイヤー夫妻は、デザイナー就任時に話題にのぼりました。ジルサンダーが現在のような知名度を手に入れることができたのは、メイヤー夫妻の貢献が大きいと評価されています。直線的なデザインを重視しながらも、カラーや生地は風合いのあるものを使用し、独特の世界観を反映しています。

ジルサンダーの展開ライン

コラボレーションだけではなく、監修やブランディングも行っているジルサンダー。ハイブランドのアイテムを購入するのは躊躇してしまうという方は、展開ラインをチェックするとジルサンダーのエッセンスを感じることができるでしょう。展開ラインについてそれぞれ解説していきます。

UNIQLO(UJ・+J)

UNIQLO(UJ・+J)

UNIQLOとのコラボラインである、UJと+J。UJはジーンズブランドとして、+Jはユニクロの上位ラインとして設立されました。UJのジーンズは、高くて価値の高いジーンズを手掛けるのではなく、ユニクロの代名詞でもある安さにバリュー以上の価値を付け足したアイテムを用意しました。こだわりのジーンズブランドがある方以外にはUJをおすすめできると言える程、多くの層を取り込んだことでも高い評価を得ました。

+Jは、ミニマルな価値を提供するジルサンダーらしさとシンプルで安価なアイテムが多いユニクロの良さを合わせたラインです。ジルサンダーのデザインに沿って裁断、縫製、付属などにこだわり、着心地やデザインの美しいアイテムを多く展開しています。

JIL SANDER NAVY

JIL SANDER NAVY

ジルサンダーネイビーはジルサンダーよりも手に取りやすい価格で販売していたラインです。2019年夏で惜しまれながら終了してしまいました。ジルサンダーらしいシンプルで洗練されたデザインを活かしながら、カジュアルでスポーティな印象のアイテムを多く手掛けています。ライフスタイルにあったアイテムは日々の生活の中にジルサンダーの要素を取り込めると人気を獲得しました。

JIL SANDER +

JIL SANDER +

ジルサンダーネイビー終了後の2019年に発表されたのがジルサンダー+です。ジルサンダーネイビーとは異なり、自然からインスピレーションを受けてデザインされています。ユニセックス仕様のアイテムが多く、素材にこだわった着心地の良いアイテムを多く展開。自然の中でも生活できるように、悪天候にも耐えうる素材で機能的なのが特徴。ジルサンダーらしい無駄のないデザインはそのままに、自然と共存できるデザインを生み出しています。

まとめ

質の高い素材やシルエットの美しさで評判のジルサンダー。現在では、多くの方が認知するブランドとなりましたが、積み重なる歴史の成果であることが確認できたのではないでしょうか。歴代デザイナーにはファッション業界を代表するような人物も多く、人気のある時期がわかりやすいのも特徴です。ジルサンダーのアイテムをお持ちの方や中古市場でチェックしてみたいという方はデザイナーや展開ラインを確認してみてはいかがでしょうか。

 

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