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三宅一生の精神を受け継いだ「Mame Kurogouchi」のモノづくり

2024年8月21日

三宅一生の精神を受け継いだ「Mame Kurogouchi」のモノづくり

三宅一生の精神を受け継いだ「Mame Kurogouchi」のモノづくり

ISSEY MIYAKE出身で自身のブランドを立ち上げたデザイナーは数多くいらっしゃいますが、今回ご紹介するデザイナーがMame Kurogouchiの黒河内真衣子氏です。デザイナー自らの足で生産地に赴き、生地選びもするといったこだわりを見せます。そして日本の伝統技術と最新技術を掛け合わせたモノづくりへの姿勢は、三宅一生の服づくりの精神を感じさせます。


そんなMame Kurogouchiの歴史や近年の動き、またデザイナー黒河内真衣子のモノづくりへのこだわりについて解説していきます。是非最後までご覧ください。

Mame Kurogouchiとは?

女性らしいシルエットや繊細なディテールが大きな評価を得ているMame Kurogouchi。パリファッションウィークへの参加や様々なブランドとのコラボも人気で、国内外問わず人気を集めています。

設立当初は「mame」


出典 showstudio.com

2010年にデザイナーである「黒河内真衣子」氏によって立ち上げられたブランド「Mame Kurogouchi」。日本の伝統技術によって作られる繊細な刺繍や立体感のある造形、そして独特なカッティングは多くのファンを獲得しています。「女性が現代社会を生きるための戦闘服」というコンセプトを掲げていて、女性の曲線美を拾うようにデザインされたウェアが特徴です。

着るためだけに大量消費されるようなブランドではなく、1つ1つがこだわりを持ってデザインされているため「アート作品」とも比喩することができます。そのため工場や職人たちとは密に連絡を取りながらミーティングを重ね、二人三脚なものづくりを行なっています。

それほどこだわりを持って作られるMame Kurogouchiのアイテムですが価格帯は、同じく手間をかけた他ブランドと比べるとリーズナブルに購入することができます。服作りの工程だけでなく価格面も配慮することで、ブランドの認知度は多くの女性たちへと広がっていきました。

旧ブランド名は「mame」。これは黒河内氏が幼少期、小柄で「まめ」と呼ばれていたことに由来します。2016年に現在のブランド名へ変更されました。2017年に受賞した「FASHION PRIZE OF TOKYO」支援のもと2018年FWから2シーズン、パリでコレクションを発表。2020年SSではパリファッションウィーク公式スケジュール入りで、念願のランウェイショーを果たします。

デザイナー:黒河内真衣子の経歴

1985年、長野県生まれ。幼少期は絵を描くことが大好きで、可愛いドレスを着た女の子の絵を描いては「大人になったら洋服を作るような仕事がしたい」と考えていたそう。次第に絵のタッチも変わっていき、自然とデザイン画の形で描くようになっていました。想像力豊かな子どもだったそうで「いかの足がフリンジに見えたこともあった」という逸話もあります。

そんな彼女がファッションデザイナーを志した明確なきっかけは、長野県の地方新聞に掲載されていた「ISSEY MIYAKE」の写真との出会いです。それは30人ものモデルたちが1枚の真っ赤な布を身に纏った、ショーのフィナーレを写したものでした。

それから彼女は数多のデザイナーを輩出している「文化服装学院」へ進学します。この頃から彼女のセンスや才能は評価をされていて、在学中に「JEUNES CREATEURS DE MODE 2005」の日本代表に選抜。見事パリの本戦にて各国最優秀賞を獲得しました。

卒業後の2006年には憧れであった三宅一生氏のデザイン事務所「A-POC」へ入社。デザイン美術館「21_21 DESIGN SIGHT」など色々なプロジェクトに携わる中、ISSEY MIYAKEのパリコレクションでのデザインや企画も担当しました。

3年半働き、独立を機に退社。その当時25歳であった黒河内氏は「今の自分の価値観で、これから着たいと思える服作りをしたい」という決心をして、現在の「Mame Kurogouchi」を立ち上げることに至りました。

コラボレーション

Mame Kurogouchi×UNIQLO

UNIQLO

2021年6月にリリースされたUNIQLOとのコラボ。インナーウェアをテーマにした新しいアイテムは当時話題となりました。2023年9月まで計6シーズン展開され、Mame Kurogouchiの入口を広げたコレクションと言えます。ニットやシアー、メッシュアイテムなどがあり、ファストファッションとのコラボながらラグジュアリーな印象を持ち合わせています。

Mame Kurogouchi×KIJIMA TAKAYUKI

KIJIMA TAKAYUKI

KIJIMA TAKAYUKIがブランド10周年を迎えることで実現された、Mame Kurogouchiとのコラボ。2024年5月にリリースされました。椰子の髄で編み上げられたブンタール素材を用いたハットは贅沢にもデッドストックのものを採用。製造過程がほとんど手作業で作られており、丹精込められた特別なアイテムとなっています。

Mame Kurogouchi×TOD’S

TOD’S

イタリアの老舗メゾン「TOD’S」のプロジェクト「TOD’S T FACTORY」では才能あるデザイナーがピックアップされ、コラボを行なってきました。その第3弾として抜擢されたのがMame Kurogouchi。旅をテーマにしたコレクションで、シワになりにくい素材や軽量化されたバッグがラインナップされています。2020年SSにローンチされ、瞬く間に注目を集めました。

近年の動向

2019年11月に株式会社「TARO HORIUCHI」との協業で縫製会社を設立。日本の高い技術力を継承、継続を目的とした「アトリエプロジェクト」を始動します。両者は年々縮小していく日本のモノづくりの現場を目の当たりにし、そこに危機感を感じていました。そんな中立ち上げたプロジェクトであり、熟練の職人から学ぶ「教育」の場としても活用されます。

2021年には新ラインとして「Mame Kurogouchi Basics」を発表。黒河内氏がワードローブとして置いておきたいアイテムをラインナップしており、素材選びからパターンメイキングまで約3年以上もの月日を費やしました。すべてを日本製にこだわったタイムレスなコレクションです。

2023年1月、東京・青山に旗艦店をオープン。地元長野県の原風景を想像させる店舗空間となっており、そこではコレクションのフルラインナップも並びます。


モノづくりへのこだわり

こだわりを持って作られるMame Kurogouchiのアイテム。妥協を許さないクラフトマンシップには脱帽であり、だからこそ独特なブランドの世界観が保たれていると言えます。また地元愛溢れるコレクションや活動にも注目です。

モノづくりへのこだわり

デザイン

女性の美しさを引き出すカッティング技術や繊細なディテールが特徴であるMame Kurogouchiのデザイン。それらは黒河内氏自身の目を通して感じたものを表現していると言います。日常や過去の記憶からインスピレーションを受けてデザインすることが多く、実際に地元長野県の雪がかった原風景をイメージして制作されたバッグもあります。

2019年には彼女がプライベートで書いていた日記にフォーカスしたコレクションもあります。自身が撮影したポラロイド写真と日記の文章と共に、対となるページには服のデッサンをスケッチ。それらをデザインへと落とし込みました。そしてこれがブランドにとって最初の、パリで行ったランウェイ形式でのコレクション発表となったのです。

また彼女にとってインスピレーションを育む1つとして欠かせないのが「旅」。自身が直接足を運んで工場へ出向いたり、職人たちと話し合う際に「旅をするよう全国を巡る」ことでも知られています。知らない土地の新しい人・風景・文化に触れることは、新しい作品を生み出すきっかけとなるのです。

遠出することだけが決して旅ではなく、近所やいつもの帰路でも旅になりうると彼女は言います。コロナ禍で移動に制限があった時期でも自宅やアトリエ周辺を散策して、近すぎて気が付かなかった身近なものからもインスピレーションを受けたそう。日常のふとしたシーンを切りとって表現するからこそ、Mame Kurogouchiのアイテムはどこか親しみのあるデザインを感じさせてくれます。

素材

デザインのこだわりもさることながら、素材へのこだわりも妥協を許しません。Mame Kurogouchiで使用されるテキスタイルは日本の伝統技術を用いたものや、最新の技術を用いたものなど多岐に渡ります。ブランドを代表する素材としてレースやニット、刺繍が挙げられます。特にコード刺繍と呼ばれる紐状の刺繍をあしらったものは評価が高く、ブランドアイコンとして人気があります。

2020年FWで発表したコード刺繍のジャケットは靴紐を作る工場で製作したリネン紐を、籠を編む要領で「一筆書きで刺繍する」という複雑な構造をしています。このテキスタイルを作るために工場の選抜や職人たちの技術は必須で、そのこだわりの強さゆえ時折「勘弁してほしい」と言われることもあるそう。そのため彼女の構想を100%表現するべく、直接足を運んで職人たちと密にコンタクトを取って話し合いを重ねているのです。

完成後には彼女自身が服を着用し、職人さんや工場の方々に見せるため工場を訪れます。これは生地や素材がどのような服になったかを実際に確認してもらうことで、お互いの関係性を高めると共に、職人たちへのリスペクトの意味も込められているのです。

一着ごとに独自のストーリー

2013年SS・FWのテーマである「あなたの思い出」。これは黒河内氏が石川県の家具屋で見つけた十数枚もの写真をもとにしたコレクションで、それぞれ写真に写っていた人物に、架空の名前と生い立ちを付けてアイテムをデザインしました。

FWコレクション販売の際「O2Oプロモーション」を取り入れたことで話題に。これはオンラインと実店舗を「WebコンテンツやSNS」を使って販売促進を促すプロモーションのことで、Mame Kurogouchiではタグ近くにQRコードを設置。コードを読み取ることで品番ごとの専用Webサイトへとアクセスでき、そこではアイテムの平置き画像とデザインソースとなった元写真、架空の名前、生い立ちが公開されています。そして黒河内氏による服についてのメモ書きも添えられており、ファンにはたまらないユニークな取り組みとなっています。

長野県への地元愛

Mame Kurogouchiのコレクションや活動には、長野県への地元愛が時折感じられます。特に2014年SSのコレクションでは、ルック撮影が長野県の霧ヶ峰で行われました。祖母と暮らした日常の記憶をコンセプトにしており、ノスタルジーなテイストに仕上げられています。

長野県立美術館では新しいユニフォームを手掛け、スタイリッシュなセットアップを製作しました。ノーカラーのダブルブレスト仕様で、カラーは「東山ブルー」を彷彿とさせる深みのあるブルー。これは画家・東山魁夷が長野のことを「作品を育ててくれたら故郷」と呼ぶほど愛着を持っていたことに由来して色付けられました。首元を飾るスカーフには県花である「リンドウ」が刺繍されています。

2021年には同美術館にて、ブランド初の単独展示会である「10 Mame Kurogouchi」を開催しました。


定番・人気アイテム

こだわりを持って作られた人気アイテムをご紹介。Mame Kurogouchiをあらわすユニークなデザインやカッティング技術はどれも秀逸で、ワードローブに重宝するアイテムが並びます。

ワンピース

Silk Lame Printed Sleeves I-Line Dress

Mame Kurogouchi Dress

胸元のシルクジャガードの生地とそこにプリントされた花柄デザインが艶やかな印象のドレス。雨に滲んだような淡い色合いが小気味良く、日本らしいテイストを醸し出しています。ラメ糸が入った生地へのプリントは従来容易なものではないのですが、職人の技術により実現したスペシャルなディテールとなっています。

Iラインで身体の線を拾う女性らしいシルエットと、対象的なフレアスリーブは絶妙なアクセントに。特にレース素材が高ポイントで、華奢な印象を演出してくれます。特別な日のお出かけにも最適なMame Kurogouchiのドレスは結婚式やパーティーシーンでも人気があります。

刺繍アイテム

Cord Embroidery Dress

Cord Embroidery Dress

土器からインスパイアされた独特な文様模様がポイントのドレス。紐状の刺繍を一筆書きの要領で縫製することでこな特殊なデザインを実現させています。岩肌や樹木を覆う苔をモチーフにすることでユニークかつ立体的な造形に。

Mame Kurogouchiの得意とする女性らしさは着用した時に真価を発揮し、ボリュームのある裾が動けば動くほど、フリルのように様々な表情を見せてくれます。ボリュームのあるフォルムとノースリーブディテールの対比は、より女性らしさを高めてくれます。

またこのデザインから派生したベルベット素材のロングスリーブでは、刺繍がまるで土器の欠けたカケラをあらわしており、とてもユニークなデザインとなっています。

ボディスーツ

Geometric Pattern Jacquard Jersey Open Back Bodysuit

Mame Kurogouchi Bodysuit

近年トレンドとなっているボディスーツ。トップスとパンツが一体となったアイテムでスタイリッシュな印象があります。トップスの裾部分がもたつかず、ウエスト周りをすっきりとさせることでスタイルアップにも期待できます。

幾何学模様のジャガード生地がMame Kurogouchiらしさを表現しているジャージー素材のボディスーツ。伸縮性があるため着心地も良く、デザイン面と機能面のバランスが取れた1枚です。身体のシェイプを美しく見せてくれるボディスーツは今季のマストバイアイテムと言えるでしょう。他にもMame Kurogouchiでは前述したUNIQLOとのコラボでも、ボディスーツを展開しています。

PVCバッグ

Transparent Sculptural Micro Chain Bag

Mame Kurogouchi Micro Chain Bag

ブランドをスタートした当初からMame Kurogouchiのシグネチャーバッグとして位置付けられているチェーンバッグ。PVC素材に長野県の雪景色を重ね合わせ、黒河内氏自身がカッターで編み込みを施し、原型を作ったのがこのバッグの始まりです。

裁断、パーツの加工そして組み立てといった作業はそれぞれの技術に特化した別々の工場で作られるという徹底っぷり。立体的に加工されたテクスチャーはガラスのような繊細さがあり、氷柱を連想させるデザインになっています。ミニマルで小ぶりなサイズ感が今っぽく、どんなスタイリングにもフィットしてくれます。


まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます。デザイナー自身の旅の経験からインスピレーションを得てデザインへ落と込み、日本の伝統的な技術と3Dでデータ化する最新技術を駆使したアイテムは、Mame Kurogouchiにしか表現できない世界観でしょう。また、伝統的な技術を絶やさないよう国内の高い技術を持つ職人たちとモノづくりをおこなう姿勢には、職人へのリスペクトを感じます。今後もMame Kurogouchiだけでなくデザイナー黒河内氏の活動にも注力していきたいです。

モードスケープではMame Kurogouchiの買取を強化しています。アイテムの価値を適正に反映し、最高額を見出す査定をいたします。Mame Kurogouchiのアイテムを売りに出すか迷っている場合にも、是非モードスケープにご相談下さい。とりあえず値段だけ聞いて検討したいという場合は、LINE査定などで査定額を見積もることも可能です。お気軽にご相談ください。


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この記事を書いた人

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