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現代のモードの基盤を築き上げたMarina Yeeのクリエイティブ

2025年3月12日

現代のモードの基盤を築き上げたMarina Yeeのクリエイティブ

現代のモードの基盤を築き上げたMarina Yeeのクリエイティブ

アントワープの6人としてアン・ドゥムルメステールやドリス・ヴァン・ノッテン、のちにマルタン・マルジェラといった現代のモードを語る上で欠かせないデザイナーがいますが、近年自身の名を冠したブランドを設立したマリナ・イーというデザイナーを皆さんはご存じですか?

フこの記事では、長い期間表舞台から姿を消していたマリナ・イーの生い立ちや彼女が生み出すクリエイティブなデザインについて解説いていきます。是非最後までご覧いただき、彼女の独創的な視点と影響力を感じ取っていただければ幸いです。

デザイナー:マリナ・イーとは?

1958年、ベルギー生まれ。当時のファッション業界を席巻したデザイナー集団「アントワープシックス」にも所属していた「マリナ・イー」を解説します。

Marina Yee
出典 hypebeast.com

デザイナーの生い立ち

マリナ・イーは幼少期からアートに素養のある子どもだったそうで、15歳のときに母親のすすめでアートスクールへ通い始めました。

次第にデザインへの関心を深め、1978年にヨーロッパでもっとも歴史ある芸術学校のひとつ「アントワープ王立芸術アカデミー」のファッション科に進学します。在学中は「アントワープ・シックス」と呼ばれるデザイナー集団の仲間たちと創作活動に励み、1981年に卒業。その後も、彼らとともに活動を続けました。

当時はプレタポルテが成長し始めた時期であり、彼らの才能に注目した支援者たちが、資金やプロモーション面でバックアップしていたといいます。しかし、彼女は1988年に「アントワープ・シックス」からの脱退を決意。インタビューでは厳しい締切やプレッシャー、目まぐるしく変化する環境に適応できなかったことを理由に挙げています。

その後、1992年に当時拠点としていたパリからベルギーへ戻り、ファッション業界を離れました。ブリュッセルではスナックバーを経営するなど、新たな道を模索していた時期もありました。

アントワープシックスについて

上記でも挙げたアントワープシックスとは、アントワープ王立芸術アカデミー出身の6人のデザイナーによって形成されたグループのことを指します。

Antwerp Six
出典 businessoffashion.com

メンバーは以下の6名。

ドリス・ヴァン・ノッテン

アン・ドゥムルメステール

ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク

ダーク・ヴァン・セーヌ

ダーク・ビッケンバーグ

マリナ・イー

ですが、マリナ・イー が抜けたことによって、同期である「マルタン・マルジェラ」を加えた6名とされるケースもあります。ちなみに、マリナ・イー とマルジェラ、ウォルターたちはアートスクール時代からの知り合いであり、アカデミーへの進学を志した仲間でもありました。

アントワープシックスは1986年、ロンドンコレクションで合同ショーを行い、一躍注目を浴びます。当時、ベルギー出身のデザイナーはほとんど知られていませんでしたが、その革新的なデザインと独特なシルエットが評価され、アントワープを新たなファッションの拠点へと押し上げるきっかけとなりました。

中でも、マリナ・イー と親交が深かったのがマルジェラです。彼らは恋人関係だった時期もあり、ビジネスパートナーとしてもお互いを支え合う存在でした。彼女はマルジェラのクリエイティビティに大きく影響を受けており「脱構築」や「匿名性」といったコンセプトは、両者のデザインにとって重要な要素となっています。その後、アントワープシックスの各メンバーは独自のキャリアを築き、現在も世界的なファッションシーンに影響を与え続けています。

アントワープシックスのメンバーを解説した記事は、下記URLからご覧いただけます。

Marina Yee設立

ベルギーの親元へ戻り、ファッション業界から身を引いていたマリナ・イーですが、子どもを授かったことで、彼女の人生は大きく変わります。母親になったことで、料理をしたり、子どもと公園へ出かけたり、手作りの服をプレゼントしたりと、それまで自分中心だった生活が「愛と思いやりに満ちたもの」へと変化しました。この経験は自分の人生を振り返る良い機会になったと彼女は語っています。

1999年からは、再びさまざまなブランドのコレクションに参加。その中には、自身の名を公表せず、匿名で携わったブランドもありました。また、ファッションデザイナーの枠を超え、インテリアデザインやアートなど、新たな分野にも挑戦しています。そして2018年、彼女は自身のブランド「Marina Yee」をスタート。ベルギーをはじめとする各都市で、カムバックが歓迎されました。

ブランドのコンセプトは「アップサイクル」や「再構築」を軸にしたサステナブルなデザイン。ヴィンテージの生地やデッドストックの素材を活用し、手作業で解体・再構築することで、新たな命を吹き込む独自のスタイルが特徴です。

マリナ・イーは1980年代から、既存のファッションシステムに疑問を抱いていたといいます。そのため、ファッションを単なる消費の対象ではなく、アートやカルチャーとしての価値をもつものと捉え、流行に左右されないタイムレスな作品を生み出し続けています。


脱構築的なデザイン

新たな価値観を発信するMarina Yeeのデザインは唯一無二といえます。ここではクリエイションの原点に触れ、Marina Yeeを代表する3つのコレクションについても解説します。

脱構築的なデザイン

アート作品のようなクリエイション

Marina Yeeのデザインは単なる衣服の枠を超え、アートのような独創性をもっています。彼女のクリエイションの核となるのは「脱構築」と「再構築」の概念であり、その考え方は日本の文化やファッションからの影響とも深く結びついている、といっても過言ではありません。

1980年代、川久保玲や山本耀司が「黒の衝撃」として世界のファッション業界に新たな視点を提示しました。当時のヨーロッパでは「みすぼらしさ」や「不完全さ」と捉えられていた要素を「日本の美意識」として発信した彼らのアプローチは、マリナ・イーをはじめとするアントワープ・シックスのメンバーにも大きな影響を与えました。実際に彼らは、プロモーションの一環として1980年代に来日し、ファッションショーを開催。また、川久保玲とも直接交流を持っています。

こうした体験を通じて、Marina Yeeのデザインは既存の服の概念を解体し、新たな価値を創造する方向へと進化しました。彼女のアップサイクルや再構築の手法は、まさにその思想と共鳴するものといえるでしょう。

折り紙シリーズについて

Marina Yeeの「折り紙シリーズ」は日本の折り紙からインスピレーションを受けたデザインが特徴のコレクションです。

服のシルエットやディテールに、折り紙のような折り畳みや幾何学的な構造を取り入れ、立体感のあるユニークなフォルムを生み出しています。特に、ラペルや袖のデザインには、意図的な折りや重なりを活かし、視覚的な変化を加えているのが特徴です。

フ日本の文化である折り紙を取り入れたこのシリーズは、Marina Yeeの脱構築的なデザイン哲学を象徴するものとなっています。

UPCYCLE COUTURE COLLECTIONについて

「UPCYCLE COUTURE COLLECTION」はマリナ・イー自身が手作業で仕立てる一点もののコレクション。中古品を扱うマーケットに並ぶような、着古されたファッションアイテムからインスピレーションを受け、それらに独自のデザインを加えて新たな命を吹き込むのが特徴です。

彼女は大量生産が主流のファッション業界に以前から疑問を抱いており、ヴィンテージの生地や古着を解体・再構築するこのコレクションは、まさに彼女の哲学やクラフトマンシップと深く結びついています。手作業ならではの味わいと、唯一無二のデザインが融合し、ファッションの新たな可能性を提示するコレクションとなっています。

UPCYCLED OVERSTOCKについて

「UPCYCLED OVERSTOCK」コレクションはファッション業界の大量生産と、過剰在庫に対する批判的な視点から生まれました。廃棄される運命にある在庫過剰品を利用することで、サステナブルなファッションの可能性を探求しています。

具体的には既存のアイテムを解体し、異なるパーツを組み合わせて新たなデザインやシルエットを生み出す手法を採用しています。このプロセスはファッションの歴史や文化を継承しつつ、新しい価値を生み出す試みとして注目されています。


人気アイテム

独特な世界観のアイテムを発表するMarina Yee。ここでは人気アイテム10選をご紹介します。

折り紙シリーズ

Origami Blazer

Origami Blazer

Marina Yeeのアイコンシリーズといえる「Origami」からリリースされたブレザー。ダブルブレストの佇まいは、貫禄のある一着となっています。

アイテムネームにもあるように、折り紙のようなディティールが特徴。折りたたむようにデザインされたステッチは脱構築的で、モードな雰囲気を醸し出しています。上質なウールはギャバジン織りで仕立てられており、ほどよくハリのある丈夫な生地がポイントです。

M.Y. SHIRT5

現在までに1〜5までのモデルが展開されている「M.Y. SHIRT」。今回ご紹介する「M.Y. SHIRT 5」ではフロント部分にユニークなギミックが搭載されています。

前立て部分には折り込みが施され、Marina Yeeならではの個性が光る仕上がりに。さらに、ヨーク(肩から背中にかけた切り替え部分)は、左肩のパネルをずらして縫製することで、独特なシルエットを生み出しています。また、カフスに取り付けられたリボンも印象的で、羽織るだけで存在感のある一枚に仕上がっています。

M.Y.IMPER

M.Y.IMPER

コットンとポリエステルを混紡したトレンチコート。ピークドラペルを採用し、クラシックなデザインながらも、裾はアシンメトリーに仕上げられています。

ウエストはベルトでサイズ調節が可能。シルエットに変化をつけることで、多彩なスタイリングが楽しめます。さらに、ブルゾンライクなモデルも展開。コートよりもシーズンに特化したアイテムで、ウールとカシミヤを使用し、防寒性の高い仕立てになっています。

Ezra Coat

Ezra Coat

衿をあえて取り除いた、モード感あふれるロングコート。計算されたオーバーサイズのドロップショルダーが、リラックス感のあるシルエットを生み出します。

生地にはウールフランネルを採用し、柔らかな肌触りと優れた防寒性を両立。特に目を引くのは、ラペル部分のディテールです。折り紙のように折り畳まれたデザインが、Marina Yeeならではの個性を際立たせています。

UPCYCLE COUTURE COLLECTION

UCC 1 Patchwork jacket

マリナ・イー自身が手作業で仕立てる「UPCYCLE COUTURE COLLECTION」から登場したテーラードジャケット。両肩部分はあえて表地を破り、芯材をのぞかせる大胆なデザインに。

一方で、梳毛ウールを使用した上質な素材感や、カフスにあしらわれたサテン素材のクルミボタンなど、クラシカルなドレスジャケットのディテールが随所に光ります。ダメージ加工とエレガントな要素が共存する、コントラストが魅力の一着といえます。

Half-a-Jack

Half-a-Jack

肩パッド入りのチェックジャケットを再構築し、唯一無二のデザインへと昇華させた一着。まるでアート作品のような仕上がりが特徴です。

左側の生地は大胆に切り取られ、右側のラペルは内側にステッチング。さらに、折り紙のように織り込まれたラペルが、ひと目でMarina Yeeの作品だとわかる、独創的なデザインを際立たせています。アシンメトリーなシルエットが生み出す、ユニークな存在感が魅力です。

UPCYCLED OVERSTOCK COLLECTION

Reworked parka coat

Reworked parka coat

M-65を再構築したモッズコート。べースとなる生地はコットンポリエステルの混紡素材で、ハリのある作りをしています。

特筆すべきは、切り替えでドッキングされたナイロンの異素材。光沢があり、ミリタリーアイテムながらもモードな印象に。ポリエステルのライナーも付属しており、十分な防寒性を持ち合わせています。

Reconstructed Denim Trousers

裾のロールアップデザインと、断ち切られたようなカッティングが特徴的なデニム。独創的なデザインながらも、脚のラインに沿った動きやすい構造に仕上げられています。

ワイドパンツでありながらシルエットは美しく、ポケットのサイズや配置にもこだわることで、バランスの取れたユニークなデザインに。決して奇抜すぎるわけではなく、Marina Yeeならではの計算された再構築が光る一着です。

2Gender Overcoat

2Gender Overcoat

ジェンダーレスなデザインが特徴のオーバーコート。伝統的なテーラリングをベースにしながらも、構築的なシルエットやアシンメトリーなカッティングを取り入れ、性別を超えた自由なスタイルを提案しています。

コットンとポリエステルを採用し、襟はスタンドカラーとしても楽しめます。流れるように落ちるドレープがラグジュアリーな印象で、タイムレスなコートとしておすすめです。

スーパーエーとの別注コート

Marina Yee × super a
出典 mastered.jp

TOMORROW LANDのオリジナルストアである「SUPER A MARKET」とのコラボでは、M.Y. IMPERコートの別注アイテムをリリースしました。

素材はヘリンボーン生地を採用し、ネイビーカラーで展開。このコラボではコートだけでなく、ORIGAMI BLAZERをもとにしたジャケットも別注で製作されています。


まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。Marina Yeeのデザインは脱構築と再構築を軸に、ファッションをアートとして昇華させる独自のアプローチが特徴です。幾何学的な構造や一点ものの手仕事、サステナブルな試みなど、マリナ・イーのクリエイティブは常に革新的でありながら、過去の歴史や文化を大切にしています。近年では、ブランドを立ち上げたことで「アントワープシックスのマリナ・イーが動き出した」と、再びファッションの世界で注目を集めています。今後も彼女の唯一無二のデザイン哲学がどのように進化し、新たな価値を生み出していくのか、ますます期待が高まります。

モードスケープではMarina Yeeの買取を強化しています。アイテムの価値を適正に反映し、最高額を見出す査定をいたします。ANCELLMのアイテムを売りに出すか迷っている場合にも、是非モードスケープにご相談下さい。とりあえず値段だけ聞いて検討したいという場合は、LINE査定などで査定額を見積もることも可能です。

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Marina Yeeの買取について

この記事を書いた人

小川剛司 (MODESCAPE 編集部)

ライター・ファッションモデル。学生時代のアルバイトからファッションの世界へ。大手セレクトショップの販売員、ECスタッフを経て、長年携わったアパレルの経験と知識を活かしWEBライターに。数々のファッションマガジンサイトで執筆を行い、メンズ・レディース問わずおしゃれを発信しています。現在は韓国を拠点にモデル活動しており、更なるファッション知識を探求中! Instagram:@t_t_k_k_s_s

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