大人の女性を魅了!ファッションブロガーの手掛ける「TOTÊME」とは?
大人の女性から支持を集めているブランド「TOTÊME」。ファッションブランドのデザイナーには様々な経歴を持つ方がいますが、TOTÊMEのデザイナーはブロガーとして活動をし有名となった「エリン・クリング」という人物が手掛けています。今やデザイナーとしても世界的に有名となったエリン・クリングが手掛けるTOTÊMEとはどのようなブランドなのでしょうか?
この記事では、TOTÊMEのデザイナーであるエリン・クリングの経歴から彼女の人物像に迫るとともに、彼女が手掛けるTOTÊMEの特徴や展開アイテム、そして近年多くのブランドに見られるサステナブルへの取り組みについて解説していきます。
TOTÊME(トーテム)とは?
1人のブロガーから生まれ、今では世界中のファッショニスタやセレブから愛されるブランドとなったTOTÊME。上品でエフォートレスなアイテムはもちろんのこと、ブランドが行うサステナブルな取り組みは多くの人の関心を集めています。
デザイナー「エリン・クリング」の人物像
出典 intothegloss.com
1983年、スウェーデン・マリーエスタードで生まれます。自然豊かな街で成長した「エリン・クリング」は10代の頃、ホテルの受付で働いていた時にモデルエージェンシーからスカウトを受けます。
ファッションウィークも開催される都市であるイタリア・ミラノへと拠点を移し、本格的なモデル活動を開始。世界各国に渡り、モデル活動をしたのち再び地元スウェーデンへと戻ります。TOTÊMEのデザイナーとして知られる彼女の背景には、同じくファッション業界にカテゴライズされる「モデル」というキャリアがあったのです。
そして2007年、彼女が24歳の時に転機が訪れます。その頃毎週のようにウェブサイトでコラムを執筆していたところ、友人から「ブログを始めたほうがいいよ」との助言が。その数ヶ月後、試しに自身のブログを開設し投稿を始めたところ、スタートからたった2日でスウェーデンでもっともフォロワーの多いブログへと急成長しました。モデルというキャリアをいかしたファッションをテーマとしたブログで、他のブログとは一線を画すものでした。
今でこそSNSの普及によって誰もがスタイリッシュに自身のファッションを投稿しますが、当時の主流は「ただ鏡の前で写真を撮って、顔を切り取って投稿する」というもの。彼女にとってそれは全く刺激的ではなかったので、最初の投稿では実際に街へ出て、色々な人に声をかけて自分のファッションを撮影してもらっていたそう。彼女はインタビューで「ブログではただ私と私のファッションを記録しただけ」と語っていますが、細かなクリエイティブ精神はこの頃から十分に培われていました。
ブログ媒体だけに留まらず、スウェーデンの大手新聞社「EXPRESSEN」のファッションデスクを担当、こちらもスウェーデンの大手出版社である「BONNIER」が発行している「STYLE BY」も運営するなど、ブロガーとしての肩書きだけでなく様々な一面を持ち合わせています。
そんな彼女をデザイナーとして一躍有名にしたのが、2011年に発表された「H&M」とのコラボ。同じくスウェーデンをルーツに持つH&Mは、彼女を採用した理由として「時代やトレンドを踏まえた上で、彼女のファッショニスタとしてのセンスと弊社のお客様たちは、互いにマッチしている」と述べました。
コレクションではレザージャケットをはじめ、ドレスアイテムなどを展開。計11点のアイテムがリリースされ、売り上げの10%はユニセフへ寄付されました。
TOTÊMEのはじまり
出典 thelast-magazine.com
クリエイティブな活動を行うエリン氏が夫である「カール・リンドマン」と2014年に立ち上げたのがTOTÊMEです。エリン氏がクリエイティブディレクターとしてデザイン面を担当。デザイン、クリエイティブチームと連携を取りながらディレクションを行います。
カール氏はアートディレクションとラグジュアリーブランドにおけるブランディングのキャリアがあり、TOTÊMEではディレクターとしてブランドの統括をしています。共通の友人を通じて出会った2人はニューヨークでブランドをスタート。多くの点をお互いに補完し合っていると自負していて、正反対な性格だからこそ理想的な組み合わせになっていると語っています。
また彼女のキャリアがTOTÊMEの方向性に深く関わってると言い、デザインするにあたって「私が本当に着たいか」の問いがキーポイントになります。実際に彼女のお気に入りアイテムである「Molara」。少し冷える夏の夜にピッタリな、ドレスの上に羽織れるジャケットで、これは彼女のワードローブに欠けていたアイテムだったと言います。
自分自身が必要としたものをインスピレーションにデザインし、日常的に使いやすいものを提案。時代に左右されない強いアイデンティティーを持つ、シグニチャーアイテムづくりを目指しています。
そんなTOTÊMEのコレクションデビューは瞬く間に話題となりました。「ケンダル・ジェナー」や「ケイト・ボブワース」らセレブたちが愛用し、多くのファッショニスタからも関心を集めています。近年日本での取り扱いも増えつつあり「三越伊勢丹」や「PARIGOT ONLINE」、「Deuxieme Classe」等でも手に入れることができます。
現在、ブランドの拠点はスウェーデン・ストックホルムに移転。理由としてエリン氏はここを「ビジネスに集中できる、静けさのあるモダンな都市」と言い、今の自分にピッタリな街だと語りました。
「ラグジュアリー・レジャーウェア」
出典 designandculturebyed.com
女性の世界をベースとし、生活やニーズの変化に合ったワードローブを提案するTOTÊME。デザイナーであるエリン氏が「自分に訴えかけるもの」にインスピレーション受け、デザインするアイテムはとても好評です。
「ラグジュアリー・レジャーウェア」というコンセプトを元に、上品でありながもエフォートレスなテーマを提案。白や黒・ベージュのカラーを基調とし、ミニマルかつスタイリッシュなラインナップが並びます。
ミニマリズムを追求したシンプルなウェアは一見すると地味に見えてしまいがちですが、決してそう見えないのがTOTÊMEの魅力。袖や裾に見られる長さや太さのボリューム、パンツにおけるウエスト部分の絶妙なシルエット、こだわりが垣間見えるカッティングなど、どのデザインもおしゃれなムードを高めてくれています。そのため、着る人が持つ本来の美しさを引き立たせてくれるウェアだと支持されています。
エリン氏はブランドのアイテムに関して「トレンドを網羅しない」というような発言を多く残しており、実際にTOTÊMEのアイテムはデイリールックに重宝するトレンドを超越したラインナップであり、長く愛用できるベーシックなアイテムが揃っています。
サステナブルへの取り組み
アパレル業界が環境に配慮したサステナブルな取り組みを行う中、もちろんTOTÊMEもその活動に勤しんでいます。ブランドが掲げる優先事項の1つに挙げられるのは「環境と動物に配慮した上で作る高品質なアイテム」。そのため素材を仕入れる業者もサステナブルな方針に賛同する会社を厳選し、環境に優しいものづくりを実現しています。
近年、アパレル業界で問題視されている「エネルギーの大量消費」。アイテムを生産するにあたって、工場の運営や輸送など様々なエネルギーを必要とします。特に合成繊維の生産には石油から精製するため、より多くのエネルギーが使用されます。この問題は二酸化炭素や温室効果ガスの大量排出に直結し、大気汚染や地球温暖化を引き起こす原因にもなるのです。
そこでTOTÊMEが取り組むのは「天然・オーガニック・リサイクル素材など環境の改善に繋がる繊維」の使用です。それら推奨繊維はエネルギー消費が少なく、リサイクル可能な点も環境に配慮していると言えます。また輸送による二酸化炭素排出量の削減として、「生地と糸はそれらを使用する工場と同じ地域で調達する」という取り組みも行われています。
先ほど挙げた推奨繊維の使用率は2022年に15%から46%まで増え、2023年には71%も占めています。2025年までに推奨繊維のみを使用することを目指しており、それに加えて環境への影響が少ない新たな素材を探すことにも着手しています。
また、アパレル業界と動物の関係は「ヴィーガンファッション」というワードが注目されるほど、とてもセンシティブな問題です。皮革や毛皮が無作為に使用されていたひと昔とは違い、現在では多くのブランドがリアルなものではなく代替素材を上手に使い、動物保護に配慮した製品作りに取り組んでいます。TOTÊMEでは外来種や絶滅危惧種に指定された動物の素材を使用しないということを公言。
さらにファーフリーリテイラー(FFR)認証を受けており、リアルファーを使わずとも十分なラグジュアリーさを醸し出すアイテムをリリースしています。
定番アイテム
洗練されたシルエットやユニークなデザインが目を惹くTOTÊMEの定番アイテム。ラグジュアリーなうえカジュアルなテイストが相まった、人気アイテムをご紹介していきます。
Embroidered scarf jacket スカーフジャケット
TOTÊMEのアイコンアイテムとも言えるスカーフが一体となったジャケット。独特なデザインが魅力的かつ、冬に必須なスカーフが付属しているため防寒性も兼ね備えています。スカーフの端にはタッセルディテールが施されており、細かなデザイン性にも注目。
縁取りされた刺繍はカジュアルな印象がありスカートやパンツ等、合わせるボトムスを選びません。またジャケットのカラーによっては刺繍の糸もワントーンに統一されているため、モードライクな着こなしも可能です。
ANNECY ウールダブルフェイスロングコート
ダブルフェイスの肉厚な生地が暖かみのある印象を与えるコート。ラペルの幅が広く、ざっくりと開いた首元は大人なテイストにフィット。サイドに入ったスリットはコートに動きを持たせ、歩きやすさという機能性にも繋がっています。ストンと落ちるゆとりのあるシルエットはトレンドなスタイルなので、日常的に大活躍してくれます。
TOTÊMEの得意とするラグジュアリーなムードがあり、ベーシックなカラーで展開。どんなインナーともマッチするマストバイなアウターと言えます。
Army レザージャケット
名前の通り、ミリタリージャケットをベースとしたレザージャケット。ラムスキンを使用した生地はレザーでありながらも柔らかく、肌馴染みが良いため肘の屈折にもあまり干渉しません。
首元はオープンカラーなのでレザーやミリタリーウェア特有の無骨さは払拭されており、女性にも着こなしやすいディテールになっています。またそれだけでなく、袖部分に施されたスリットや裾が広がったフレアヘムもポイント。軽やかさがあり、よりフェミニンな雰囲気を醸し出しています。
TOTÊMEの定番アイテムでシーズンによってはカーフレザーが使われていたり、ディテールに少し変更がある等、ブラッシュアップされ続けています。またコットンツイルを採用したライトジャケットなArmyも展開されています。
PALMI タートルネックニット
TOTÊMEらしい大人な女性像にピッタリなニットウェア。ウール・シルク・カシミヤが混紡されている、まさにラグジュアリーなアイテムです。
タートル部分は折り返し不要なモックネックライクで、絶妙な高さ。リブ編みのディテールに加えて比較的タイトに作られており、ボディラインを美しく拾ってくれます。そのためレイヤーとしても使い勝手が良く、アウターと合わせるのはもちろんのこと、シャツのインナーとしてタートルネックをさり気なく見せるスタイリングでも嵩張りません。
シンプルでクリーンなアイテムなので使い所を選ばず、ワードローブとして大活躍してくれます。
WIDE TAPERED LEG DENIM
TOTÊMEのデニムパンツ「Barrel」からインスパイアを受けて作られたテーパードデニム。ハイウエストのゆったりとした腰回りから裾にかけて、緩やかな細身にサイジングされています。そのためカジュアルにもきれいめにも様々なスタイリングにフィットし、とてもユースフルなデニムと言えます。
また、通常スラックス等に見られるセンタープレスが施されたディテールは、カジュアルなデニムには珍しくユニークなポイントです。生地は環境に優しいオーガニックコットンを採用。化学肥料や農薬といった水質や土壌への負担を減らして生産され、国際的な基準をクリアした環境に優しい生地です。
CHUNKY SANDAL チャンキーサンダル
足の甲にピッタリとフィットし、何本もの紐が交差したような変わったデザインが個性あふれる、チャンキーサンダル。
夏に嬉しいリネン素材をあしらったアッパーの縁には上品にナッパレザーを使用。カジュアルな中にラグジュアリーなエッセンスをプラスするTOTÊMEらしいデザインが垣間見える1足です。かかと部分には着脱がしやすいベルクロを採用しているのも嬉しいポイント。
タウンユースとしてクールに履きこなすのはもちろん、ビーチでも十分な存在感をあらわしてくれるアイテムです。
T-Strap SANDAL Tストラップ サンダル
上から見ると文字通り「T」が見えるトグルサンダル。春先や夏にかけて大活躍してくれる人気アイテムです。無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインだからこそ光るディテールが魅力的。カーフレザーを採用した高級感のあるマテリアルは、サンダルの持つラフさの中に重厚感を醸し出しています。
TOTÊMEの得意とする上質なファブリックと独創的なカッティングが合わさっており、夏のワードローブにぜひ加えたい1足。細かに施されたステッチも小気味良く、デザイン性溢れるサンダルです。
T-Lock ショルダーバッグ
色々な素材、カラー、デザインで展開されているTOTÊMEを代表するT-Lockシリーズ。フラップ部分に装飾されたT字のロックがポイントであり、アイコンとなっています。
ベースのフォルムはハンドバッグとして使えて、ミニマルなサイズ感が魅力。付属のストラップを取り付けることでショルダーバッグに早変わりします。
またショルダーのストラップはバッグの内側から取り付けることができ、洗練されたシルエットを崩さないのもポイントです。フラットで手に馴染みやすいレザーやスエード生地、クロコダイル調の型押しレザーなどラインナップも豊富です。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。有名ブロガーのエリン・クリングと夫のカール・リンデマンの2人が手掛けるTOTÊMEは、着用者が本来持つ美しさを引き立つようなデザインとなっています。そして、ヨーロッパ諸国の女性をはじめ、世界中でも人気が広がりつつあるTOTÊMEの魅力を見てきました。サステナブルへの取り組みにも注力しているTOTÊMEの今後の活躍にも目が離せませんね。
モードスケープではTOTÊMEの買取を強化しています。アイテムの価値を適正に反映し、最高額を見出す査定をいたします。TOTÊMEのアイテムを売りに出すか迷っている場合にも、是非モードスケープにご相談下さい。とりあえず値段だけ聞いて検討したいという場合は、LINE査定などで査定額を見積もることも可能です。お気軽にご相談ください。
TOTÊMEのお買い取り案内ページはこちら
モードスケープではTOTÊMEの買取を強化しています。定番のウールカシミヤコートやニットをはじめ、ワンピースやシューズまで幅広く高価買取いたします。お買い取りをご検討の際は、お気軽にご相談ください。
TOTÊMEの買取について
この記事を書いた人
小川剛司 (MODESCAPE 編集部)
ライター・ファッションモデル。学生時代のアルバイトからファッションの世界へ。大手セレクトショップの販売員、ECスタッフを経て、長年携わったアパレルの経験と知識を活かしWEBライターに。数々のファッションマガジンサイトで執筆を行い、メンズ・レディース問わずおしゃれを発信しています。現在は韓国を拠点にモデル活動しており、更なるファッション知識を探求中! Instagram:@t_t_k_k_s_s